日本ハムを自由契約後、独立リーグから念願のNPB復帰
ソフトバンクに入団した前日本海オセアンリーグ・福井の秋吉亮投手(33)が19日、会見に出席した。背番号は49。
開口一番「すごく嬉しい。去年、日本ハムを自由契約になって独立リーグに行ってすごい悔しい思いをしたので」。昨年11月16日、日本ハムはFA権を取得していた西川遥輝、秋吉亮、大田泰示の3選手を自由契約にすることを発表。一方的な通達に、日本プロ野球選手会が抗議文を提出する騒動となり、協議の結果「ノンテンダー」という用語を使用しないなどと取り決め、一応の決着を見た。
西川は楽天、大田はDeNAへの移籍が決まったものの、秋吉だけはNPBへの移籍が叶わず、独立リーグに新天地を求めた。福井のユニフォームに袖を通し、いつかNPBに復帰するという強い思いを胸に秋吉は腕を振った。
「独立リーグのレベルに合わせるのではなく、このレベルは絶対抑えるという気持ちでやっていました」。そう言い切るのは、これまで残してきた実績と無関係ではないだろう。ヤクルト時代の2015年は74試合、2016年は70試合とリーグ最多登板を記録するなどリリーフとして活躍。2017年には日本代表としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場した。確かな自信と将来への不安を抱きながらプレーした日々は、秋吉の野球人生においてかけがえのない財産となるはずだ。
かねてから親交があり、同じ右サイドスローの又吉克樹は自身のSNSで歓迎のコメントを残している。秋吉は「ヤクルト時代から仲良くしていて、まさか同じチームでできるとは思っていなかったので嬉しい。まだ家も決まってないので、どこがいいとか教えてもらっています」と笑顔で明かした。新天地において、気心の知れた仲間がいることは何より心強いだろう。
チームは大混戦のパ・リーグで熾烈な戦いを繰り広げている。「福井ではコントロールを磨くことと変化球を増やそうと思っていろいろ試してきた。早く一軍で勝てるように頑張ります」と意気込んだ33歳。ヤクルト時代の2015年の日本シリーズでソフトバンクに1勝4敗で敗れ、その強さを身に染みて感じただけに「優勝して日本シリーズでヤクルトとやりたい」と思いを馳せた。
秋吉は東京都出身で都立足立新田高から中央学院大、パナソニックを経て2013年ドラフト3位でヤクルトに入団。2015年は74試合登板で6勝22ホールド、2016年は70試合登板で3勝19セーブ10ホールドを挙げるなど中継ぎ、リリーフとして活躍した。2018年オフに高梨裕稔、太田賢吾との交換トレードで谷内亮太とともに日本ハムに移籍。NPB通算379試合登板で20勝24敗71セーブ78ホールド、防御率3.00の成績を残している。
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