周東佑京がバットでアピール
先週のパ・リーグは、首位を走るソフトバンクで新型コロナの感染がチーム内に広がり、2試合を中止した。しかし、中止明けとなった2日の土曜日からの西武戦に連勝し、ガッチリ首位をキープしている。また、ロッテが好調で3勝1敗と勝ち越し、5割復帰。オリックスを抜き4位に浮上した。
SPAIAでは6月27日から7月3日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

首位のソフトバンクはコロナ禍に見舞われたが、週末の西武戦に連勝し、首位を堅持した。その立役者となったのが周東佑京。全3試合でマルチ安打を記録するなど11打数6安打の打率.545と打ちまくり、wRAAはチームトップの2.8だった。
特に、3日の西武戦では、初回1死から先制の3号ソロを放つと、3回には2死二塁からライト前タイムリーで追加点を奪い、勝利に貢献。デスパイネ、グラシアルの大砲2人を欠く中、チームの窮地を救う活躍を見せた。
西武・森友哉が復調気配
2位の楽天は先週2勝3敗と負け越し、首位とは2.5ゲーム差に開いた。なかなか波に乗れないチーム状況の中、17年目のベテラン銀次が存在感を示している。3日のロッテ戦では初回に先制タイムリー、5回にもライト前タイムリーで追加点をもたらし、勝負強さを発揮。先週の全5試合で安打を放ち、21打数10安打の打率.476、wRAAもチームトップの3.3をマークした。
3位の西武では、森友哉が調子を上げてきている。打率1割台と苦しんでいたが、先週行われた4試合すべてでヒットを打ち、14打数8安打、打率.571の大暴れ。wRAAも12球団トップの4.2をマークした。
29日の日本ハム戦では、第1打席に先制の2点タイムリーを放つと、第2打席でも右中間へのタイムリー二塁打、第3打席にはライト線への3塁打が飛び出し、サイクルヒットにリーチ。迎えた第4打席はストレートの四球で記録達成とはならなかったが、広角に打ち分ける持ち前の打撃が戻ってきた。
4位に浮上したロッテでは、中村奨吾がwRAA2.4でチームトップだった。6月27日ソフトバンク戦では、8回に5号ソロ、9回にダメ押しの2点タイムリーで2安打3打点、1日の楽天戦では初回に先制タイムリーを放つなど2安打、2四球と全打席出塁で、チームの勝利に貢献。週間では12数4安打の打率.333、1本塁打、4打点と、特筆すべき数字は残していないが、渋い活躍を見せた。
ベテラン安達とルーキー上川畑が躍動
2勝3敗で5位に転落したオリックスでは、安達了一がチームトップのwRAA2.5をマークした。3日の日本ハム戦では、今季初めて3番に座ると、初回1死二塁からライト線へ先制のタイムリー二塁打でさっそく起用に応えた。
さらに、1点リードで迎えた7回にも、ライト前タイムリーで貴重な追加点を奪い、勝利に貢献。34歳のベテランがリーグ最下位の216得点と元気のない打線に、活を入れる活躍ぶりだった。
最下位に沈む日本ハムは、ドラフト9位ルーキーの上川畑大悟が2週連続チームNo.1も、wRAA1.0と数値は低かった。ただ、2日のオリックス戦では、1点リードの6回2死満塁の場面で代打として登場。難敵・山本由伸からライト線への2点タイムリー二塁打を放ち、チームに貴重な追加点をもたらした。
週間では16打数4安打の打率.250、1本塁打、4打点も、新人らしからぬ勝負度胸を見せた25歳。ここからルーキーのバットでチームを押し上げることができるか注目だ。
4位のロッテが借金を完済し、首位から5位まで7ゲーム差と相変わらずの混戦模様。最下位の日本ハムも5カードぶりに勝ち越すなど、ここから勢いに乗る可能性も十分にある。ペナントレースはようやく折り返し地点を過ぎたばかり。猛暑に負けない、熱い戦いに期待したい。
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