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ドラフト下位指名から逆襲した選手たち 巨人では戸郷翔征、中川皓太らが一線級に

2022 5/26 11:00勝田聡
読売ジャイアンツの戸郷翔征と中川皓太,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ドラフト6位指名の戸郷が最多勝争いトップタイ

プロ野球の開幕から2ヶ月ほどが経過した。セ・リーグの最多勝争いを見ると、トップは大瀬良大地(広島)、菅野智之(巨人)、戸郷翔征(巨人)の3人が5勝で並んでいる。

このなかで大瀬良と菅野はともに大卒ドラフト1位で入団。アマチュア時代からトップクラスの実力を誇っており、プロでも早い段階からその実力をいかんなく発揮してきた。一方の戸郷は高卒かつドラフト6位指名であり、どちらかといえば素材型としての入団だった。

巨人でこの戸郷のようにドラフト下位指名(6位以下、育成含む)から、結果を残している選手は少なくない。どのような下位指名選手が一軍で結果を残してきたのか振り返ってみたい。分離ドラフトが終了した直後の2008年ドラフト以降を対象とした。

【関連リンク】プロ野球ドラフト歴代指名選手一覧

投手では中川皓太や田原誠次ら中継ぎとして活躍

巨人の主なドラフト下位指名選手,ⒸSPAIA


先発投手ではやはり戸郷が筆頭格になる。聖心ウルスラ学園高時代に甲子園出場はあったものの、知名度は高くなかった。それにも関わらず高卒2年目から先発ローテーションに定着し2年連続で9勝をマーク。そして4年目の今年も先発ローテーションとしてチームトップの投球回数を誇り、最多勝争いをしているのは驚きだ。

中継ぎでは田原誠次が即戦力として活躍した。2011年7位で指名を受け三菱自動車倉敷オーシャンズから入団した右腕は、1年目から32試合に登板し防御率3.26と結果を残す。2016年には64試合に登板するなど、2020年の現役引退までに222試合の登板で12勝7敗、防御率3.13とブルペンを支えた。

現役選手では中川皓太と大江竜聖の両左腕がともに下位指名だった。2015年ドラフト7位で指名され、東海大から入団した中川は2018年に30試合に登板し頭角を現した。2019年以降は抑えやセットアッパーも任され、昨シーズンも58試合の登板で防御率2.47と安定した投球を見せた。

一方の大江は2016年6位で指名を受け、二松学舎大付高から入団。4年目となる2020年から一軍に定着し、2年連続で40試合以上に登板している。

松原が巨人の育成出身選手では初の規定打席到達

野手では育成から這い上がってきた選手が存在感を放ってきた。2015年育成1位の増田大輝と2016年育成5位の松原聖弥だ。

徳島インディゴソックスから巨人に入団した増田は、2年目となる2017年のシーズン途中に支配下登録された。しかし一軍での出番はなかなか訪れず、初出場は支配下登録から2年後となる2019年だった。同年75試合の出場で15盗塁を記録し足でアピール。その後も代走の切り札、そしてユーティリティープレーヤーとしてベンチで重宝されている。

一方、明星大から巨人へと入団した松原も2年目となる2018年のシーズン途中に支配下登録を勝ち取った。増田同様にすぐに一軍での出番はなく、初出場は2020年と2年後だった。しかし、外野の一角で86試合に出場すると、2021年には135試合に出場。巨人の育成出身野手としては初めて規定打席にも到達し、打率.274、12本塁打、15盗塁と結果を残した。その他では若林晃弘(2017年6位/JX-ENEOS)も、一軍で出番を勝ち取っている。

巨人では坂本勇人(2006年高1巡/光星学院高)や菅野智之(2012年1位/東海大)、岡本和真(2014年1位/智弁学園高)に吉川尚輝(2016年1位/中京学院大)といったドラフト1位の選手が主軸となっている。しかし下位指名の選手たちからも、多くの選手が一軍の舞台で結果を残してきた。

近年はOBスカウトとして、全国にスカウト網を張り巡らせている。今まで以上に下位指名からの掘り出し物が誕生するかもしれない。

※数字は2022年5月22日終了時点

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