7月26、27日にオールスター開催
今年のプロ野球オールスターゲームは7月26日(福岡PayPayドーム)と翌27日(松山・坊っちゃんスタジアム)に開催される。ファン投票の中間発表で先発投手部門の1位になっているのが阪神・青柳晃洋とロッテ・佐々木朗希だ。
ファン投票は球団の人気やファンの多さに左右されることも多いが、前半戦の両投手の成績を見れば1位も納得だろう。青柳は新型コロナ感染で開幕に出遅れたものの、4月15日に一軍登録されてから9試合に登板して7勝1敗、防御率0.89。勝利数、防御率ともリーグ1位を走っている。
一方の佐々木は4月10日の西武戦で19三振を奪って完全試合を達成。17日の日本ハム戦でも8回途中までパーフェクト投球を続け、世間を驚かせた。ここまで11試合に登板して5勝1敗、防御率1.70をマークしている。
サイドスローとオーバースローでタイプは異なるが、前半戦のプロ野球界を盛り上げている2人を比較してみよう。
三振に関する指標では佐々木に軍配
投球回は青柳が71イニング、佐々木が74イニングと近いため比較しやすい。甲乙つけがたい数字が並ぶが、三振にまつわる数値では佐々木に軍配が上がる。奪三振は佐々木が12球団断トツ1位の105に対し、青柳が62、奪三振率(9イニングで奪う三振数)を示すK/9は、佐々木の12.77(12球団トップ)に対し、青柳は7.86だ。
佐々木はストレートの平均球速が159.3キロ、青柳は142.7キロと20キロ近い差があり、タイプ的にも佐々木に分がある。
与四球はともに9。与四球率(9イニングで与える四球数)を示すBB/9も佐々木が1.09、青柳が1.14とほとんど差はない。制球力はほぼ互角と見ていいだろう。
実戦では青柳が一枚上
被打率は佐々木が12球団トップの.171、青柳が同3位の.196とわずかに佐々木が上回るが、逆に被本塁打は青柳が1本、佐々木が2本。剛速球で抑え込む佐々木に対し、低めの変化球で芯に当てさせない青柳と、それぞれ違う方法で本塁打を許していない。
1イニングあたりに何人の出塁を許したかを表すWHIPは佐々木が0.72(12球団トップ)、青柳が0.83(同3位)とわずかに佐々木がリードしているが、防御率は12球団唯一の0点台を誇る青柳が佐々木を0.8も上回っている。出塁を許しても青柳の方が、より粘りの投球を見せていると言えるだろう。
平均的な投手に比べて同じイニング数でどれだけ失点を防いだかを表すRSAAは、青柳が12球団トップの18.4で同4位の佐々木(11.9)を上回る。
総合的に見ると、ボールの速さや強さでは佐々木が上回るものの、実戦では青柳が一枚上と言えるだろうか。いずれにせよ、セ・パのニュースターは今後もハイレベルな投球でファンを魅了してくれそうだ。
※成績は6月15日現在、規定投球回以上の投手対象
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