昨年二軍首位打者のヤクルト太田賢吾がチームトップ
交流戦3、4カード目となった先週はセ・リーグ球団が好調だった。首位ヤクルトと最下位・阪神が5勝1敗。中日も4勝2敗と貯金を増やした。巨人とDeNAは3勝3敗、広島は2勝4敗だった。
SPAIAでは5月31日から6月5日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
ヤクルトは太田賢吾はwRAA3.5でチームトップだった。川越工高から2014年ドラフト8位で日本ハム入りし、2018年オフに秋吉亮、谷内亮太との2対2の交換トレードで高梨裕稔とともにヤクルトに移籍。昨年、イースタン・リーグで首位打者に輝いた8年目の25歳だ。
先週の出場は3試合のみだったが、10打数5安打1本塁打と活躍。2日のロッテ戦では8番・右翼でスタメン出場し、1号ソロを含む4打数3安打をマークし、チームの逆転勝ちに貢献した。
中日ビシエドも上向き
巨人はアダム・ウォーカーが調子を上げている。先週は25打数10安打で打率4割、4本塁打、6打点。3日のロッテ戦では、5打数3安打2打点で10-3の大勝に貢献した。丸佳浩との1、2番コンビは他球団の脅威だろう。
元気のない広島は坂倉将吾がチームトップだったものの、wRAAは1.6と高い数値ではない。19打数5安打で打率.263、3打点、4四球。2日の日本ハム戦では2打数1安打1打点、四球も2つ選んで勝利に貢献した。3番を任されていた西川龍馬が離脱するなど、交流戦3勝9敗で最下位の広島。開幕から5番で固定されている坂倉にかかる期待は大きい。
中日はダヤン・ビシエドがwRAA2.2でチームトップだった。22打数8安打で打率.364。5月31日の楽天戦では、田中将大から放った6号ソロを含む4打数2安打で勝利に貢献した。先週は全6試合で安打を放ち、2018年首位打者に輝いた助っ人も調子が上向きつつあるようだ。
DeNA蝦名達夫が存在アピール
DeNAは青森大から入団3年目の蝦名達夫が存在をアピールしている。先週は15打数8安打で打率.533、1本塁打。wRAAはチームトップの3.7だった。2番・右翼でスタメン出場した4日の楽天戦では、3打数2安打1四球1犠打と献身的な働き。牧秀悟を筆頭に好調な打線の中で重要な役割を果たしている。
阪神は大山悠輔が急上昇だ。先週は20打数9安打で打率.450。9安打のうち5本は本塁打と大爆発し、wRAA7.3は12球団トップだった。新庄剛志ビッグボスの甲子園凱旋で注目された3日の日本ハム戦では、1四球を挟んで3打数連続本塁打。最大6点差からの大逆転勝利を呼び込んだ。ここまで貧打に泣いてきた阪神だが、大山の上昇もあって6月は5連勝。交流戦8勝4敗で2位につけている。
セ・パ交流戦は4カードが終了し、残るは2カードのみ。ヤクルトが9勝3敗で交流戦の首位を立っており、優勝争いの行方にも注目だ。
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