楽天・辰己涼介は走攻守で活躍
先週のパ・リーグは2位ソフトバンクが4勝2敗で、3勝3敗だった首位・楽天との差を0.5に縮めた。西武は4勝2敗、逆にオリックスは2勝4敗で3位と4位が入れ替わり、激しいつばぜり合いを見せている。ロッテと日本ハムはともに3勝3敗だった。
SPAIAでは5月24日から5月29日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
首位を走る楽天は辰己涼介がwRAA2.9でチームトップだった。立命館大からドラフト1位で入団して4年目の25歳。先週は19打数7安打の打率.368をマークした。25日の阪神戦では、西純矢から決勝3号ソロを放ち、2四死球、1盗塁と走攻守で活躍。首位キープに貢献している。
西武・山川穂高は「不敗神話」継続、オリックス杉本裕太郎も復調気配
12球団トップのwRAA5.5を記録したのがソフトバンクの牧原大成だ。19打数10安打の打率.526、2本塁打。28日の広島戦では森下暢仁から、翌29日はアンダーソンから2試合連続本塁打を放った。チームも首位に肉薄。柳田悠岐、グラシアルへつなぐ2番として牧原の果たす役割は大きい。
西武の山川穂高は19打数6安打、2本塁打、4打点。wRAA3.6でチームトップだった。25日の中日戦では高橋宏斗から15号ソロ、28日のDeNA戦では上茶谷大河から16号2ランを放ち、勝利に貢献。特筆すべきはこの2試合だけでなく、今季本塁打を放った13試合全て勝っていることだ。16本塁打は両リーグトップ。36打点もパ・リーグトップだ。戦線離脱していた森友哉も復帰し、西武打線が上昇気流に乗るかもしれない。
オリックスは昨季の本塁打王・杉本裕太郎が復調気配だ。23打数11安打の打率.478、1本塁打で、チームトップのwRAA3.4をマークした。26日の巨人戦では菅野智之ら巨人投手陣から4打数4安打の大暴れ。ここ10試合で17安打を放ち、1割台に低迷していた打率も.215まで上昇してきた。
ロッテは岡大海がチームトップも
5位のロッテでは、岡大海がwRAA0.6でチームトップだった。とはいえ、10打数2安打1本塁打と決して高打率ではない。リーグ最下位のチーム打率.215と得点力不足が課題だが、その状況でも3勝3敗だったのは投手陣の踏ん張りによるところが大きい。上位浮上するためにも打線の復調が待たれる。
日本ハム松本剛は25打数12安打の打率.480、2本塁打、7打点、wRAA4.8と絶好調だ。26日のヤクルト戦では2号2ランを含む5打数4安打3打点で勝利に貢献。打率.383でパ・リーグぶっちぎりの首位打者を快走しており、プロ11年目の28歳がタイトル獲得まで突っ走るか注目される。
日本ハムでは清宮幸太郎も28日の巨人戦で2本塁打を放つなど、先週はwRAA2.3と調子が上向きつつある。日本ハムは借金9で5位ロッテと1.5差。交流戦で波に乗って最下位脱出できるか注目だ。
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