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ドラフト下位指名から逆襲した選手たち、阪神・中野拓夢、小川一平らが活躍

2022 5/17 06:00SPAIA編集部
阪神の中野拓夢と小川一平,ⒸSPAIA
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中野拓夢は2020年ドラフト6位

阪神の中野拓夢が5月14日のDeNA戦で5打数4安打2本塁打4打点と大爆発した。昨季は盗塁王に輝くなど俊足巧打で活躍したもののシーズン1本塁打と非力な印象は否めなかったが、2年目に入ってパワーアップしていることも証明した。

中野は三菱自動車岡崎から2020年ドラフト6位で入団。昨年は1位の佐藤輝明とともに新人王候補にも浮上する大活躍を見せた。また、2019年6位の小川一平は今季開幕2戦目の先発に抜擢されるなど、ドラフト下位指名ながら一軍で活躍する選手は少なくない。

ドラフトが高校生と大学生・社会人の分離開催から現在の一括開催に変更された2008年以降で、6位以下の下位指名(育成含む)ながら活躍した阪神の主な選手を紹介する。

阪神の主なドラフト下位指名選手

岩崎優は2013年6位、湯浅京己は2018年6位

今や代打の切り札的な存在となっている原口文仁も6位指名だった。帝京高から2009年ドラフトで入団し、2016年に107試合出場で打率.299、11本塁打、46打点をマーク。2019年に大腸がんの手術を受け、戦列復帰後も欠かせない存在となっている。ちなみに同年ドラフト1位は法政大・二神一人だった。

昨年限りで退団したスアレスの後継クローザーとして活躍する岩崎優も下位指名だ。2013年ドラフト6位で国士舘大から入団。左腕からキレのいいストレートと落ち着いたマウンドさばきで昨季は62試合に登板、3勝4敗1セーブ41ホールドをマークし、東京五輪にも出場した。今年4月に国内FA権を取得しており、オフの動向が注目される。同年1位は横浜商科大・岩貞祐太だった。

湯浅京己も売り出し中の一人だ。2018年ドラフト6位でBCリーグ富山から入団した右腕。オーバースローからスピンの利いたストレートを投げ込み、今季は中継ぎとして重宝されている。プロ4年目だが、昨年まで一軍では3試合にしか登板しておらず、新人王の資格を有している。

掛布雅之はドラフト6位から「ミスタータイガース」に

先述した小川一平は2019年ドラフト6位で東海大九州キャンパスから入団した。身長183センチ、体重82キロの恵まれた体格から投げ込むストレートは威力十分。右肘の張りで4月25日に抹消されたが、今後の成長が期待される一人だ。

育成出身の小野寺暖も将来を期待されている。2019年育成1位で大阪商業大から入団。2021年4月に支配下登録されると、思い切りのいいスイングで昨季は34試合に出場した。今季は開幕一軍入りし、4月21日のDeNA戦で満塁本塁打を放ってパンチ力をアピールした。

中野拓夢は2020年ドラフト6位ながら1年目にレギュラーをつかんだ。今季は打率3割と2年連続の盗塁王が目標になるだろう。

阪神の下位指名と言えば、1973年ドラフト6位で習志野高から入団した掛布雅之が有名だ。猛練習で3度の本塁打王に輝き、「ミスタータイガース」と呼ばれるほどの大打者となった。プロに入れば指名順位は関係ない。今後も秘めた素質を開花させる下位指名選手の出現に期待したい。

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