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パ・リーグの「4月男」は西武・山川穂高? 過去3シーズンの4月投打成績を振り返る

2022 4/8 06:00広尾晃
西武の山川穂高,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

過去3シーズンのパリーグ「4月投打成績」を振り返る

2022年のプロ野球シーズンが開幕した。コロナ感染によって試合が中止になるなど、一部に影響はあるが、各球場では入場者数の制限を撤廃。多くの観客が詰めかけており、久々に「野球シーズン到来」を実感できている。

前回のセ・リーグに続いてパ・リーグについても、2018年以降のシーズンについて、「4月」がどんな展開だったのか、どんな選手が活躍していたのか振り返ってみたい。なお、NPBの月間MVPと同様、3月の開幕日からの日程も含めるものとする。また、2020年は新型コロナ禍で6月19日に開幕したので、この年は割愛。2018,2019,2021年について見て行こう。

【前回記事】
セ・リーグ最高の「4月男」は巨人・坂本勇人? 過去3シーズンの4月投打成績を振り返る

2018年4月30日時点での順位

2018年パ・リーグ3・4月チーム成績,ⒸSPAIA


西武が3割近いチーム打率で開幕ダッシュに成功。勝率も8割近かった。対照的に楽天が大きく出遅れた。

2018年3・4月パ・リーグRC10傑,ⒸSPAIA


打者成績は、打撃の総合指標である「RC(Runs Created)」※の上位10傑を表にまとめた。

山川穂高が11本塁打と大爆発。33打点もトップで、月間MVPを獲得した。この勢いで本塁打王、シーズンMVPも獲得する。西武は10傑に山川、秋山、浅村、源田、森と5人がランクイン。凄まじい打線だったのだ。しかし秋山はMLBに挑戦、浅村は楽天にFA移籍し、この強力打線は解体されてしまった。

※RC:特定の打者がどれだけの得点を生み出すことに貢献したかを表す。RCが10ならチーム得点のうち10点をその打者が生み出したことを意味する。

2018年パ・リーグ3・4月防御率10傑(規定投球回数以上),ⒸSPAIA


ソフトバンクの石川柊太は、開幕時は救援だったが先発に転向して3勝。西武の多和田真三郎が打線の援護もあって5戦5勝で、月間MVPに輝いた。この年最多勝も獲得している。同僚の菊池雄星も5戦5勝、このオフにポスティングでマリナーズに移籍した。

救援ではソフトバンクのサファテ、日本ハムの石川直也とトンキン、西武の増田達至、オリックスの増井浩俊が5セーブ。しかし前年シーズンMVPのサファテは4月中旬に故障のため、戦線を離脱した。ロッテのシェッパーズが7ホールドを挙げている。

西武・山川が2年連続11本塁打でMVP

2019年 パ・リーグ 3・4月チーム成績,ⒸSPAIA


2019年は4月終了時点でソフトバンクが首位、楽天が2位だったが、ここから西武が盛り返し、このシーズンは西武とソフトバンクがデッドヒートを繰り広げた。

2019年3・4月 パ・リーグRC10傑,ⒸSPAIA


この年も西武の山川穂高が11本塁打31打点と大爆発し、前年に続き月間MVPを獲得。春先に山川が爆発することで、西武は勢いに乗るのがお決まりのパターンとなっていた。

なお、月間首位打者は日本ハムからロッテに移籍したレアードだった。

2019年パ・リーグ 3・4月防御率10傑(規定投球回数以上),ⒸSPAIA


日本ハムの有原航平が5登板4勝5QSで、月間MVPを獲得。防御率は驚異の0.51だった。有原は翌年にMLBレンジャーズに移籍する。ソフトバンク・千賀滉大は、投球回を大きく上回る54三振を記録した。

救援ではソフトバンクの森唯斗が8セーブ、同じくソフトバンクの新人甲斐野央が10ホールドを記録。日本ハムの宮西尚生も10ホールドを挙げた。

昨季はロッテ・マーティンと楽天・涌井秀章がMVPに

2021年 パ・リーグ 3・4月チーム成績,ⒸSPAIA


楽天が首位、ソフトバンクが2位。この年リーグ優勝したオリックスは4月末の時点では負け越していた。ただし、チーム防御率はリーグ1位だった。

2021年3・4月 パ・リーグRC10傑,ⒸSPAIA


ロッテのレオニス・マーティンがリーグトップの10本塁打24打点で、月間MVPを獲得。打率はロッテの中村奨吾が1位だった。この年本塁打王となる杉本裕太郎は4本塁打していたが、まだ規定打席に到達していなかった。

2021年パ・リーグ 3・4月防御率10傑(規定投球回数以上),ⒸSPAIA


オリックスのエース・山本由伸は3月26日の開幕戦で7回自責点1ながら負け投手。4月14日のソフトバンク戦でも負け投手になるなど調子が上がらなかったが防御率は1.39を記録していた。現在も継続中の連勝記録は5月28日のヤクルト戦から始まる。

月間MVPは、前年3球団での最多勝を達成した楽天の涌井秀章。この時点で西武の高橋光成とならびハーラーダービートップだったが、5月以降はわずか2勝に終わった、

最多セーブはソフトバンクの森唯斗、西武の増田達至の8セーブ。セットアッパーは西武平良海馬が12ホールドを記録していた。

西武の山川穂高は2020年に右足首捻挫、2021年には左ハムストリングの肉離れで戦線離脱。これもあって西武は下位に低迷した。今季の山川は久々に元気で、開幕5試合で4本塁打9打点、打率.444と「4月男」の本領を発揮。だが、3月30日の日本ハム戦で右ハムストリングの肉離れで登録抹消となった。

幸いにも今回は軽症のようだが、西武打線での山川の存在感は非常に大きい。彼の復帰がペナントレースにも大きく影響するだろう。

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