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セ・リーグ最高の「4月男」は巨人・坂本勇人? 過去3シーズンの4月投打成績を振り返る

2022 4/7 06:00広尾晃
読売ジャイアンツの坂本勇人,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

過去3シーズンのセ・リーグ「4月の投打成績」を振り返る

2022年のプロ野球シーズンが開幕した。コロナ感染によって試合が中止になるなど、一部に影響はあるが、各球場では入場者数の制限を撤廃。多くの観客が詰めかけており、久々に「野球シーズン到来」を実感できている。

今回はプロ野球の開幕月でもある「4月」について、どんな展開だったのか?どんな選手が活躍していたのか?2018年以降のシーズンについて振り返ってみたい。なお、2020年は新型コロナ禍で6月19日に開幕したので、この年は割愛。2018、2019、2021年について見ていく。また月間MVPの対象期間と同様、3月の開幕日からの日程も含めるものとする。

2018年は坂本勇人とメッセンジャーが月間MVP

2018年 セ・リーグ 3・4月チーム成績,ⒸSPAIA


この年は広島のリーグ3連覇の最終年、4月から順調に滑り出した。高橋由伸監督の巨人が打線好調で2位につけている。巨人はここから失速し、3位ながら負け越して高橋監督は退任した。

2018年3・4月 セ・リーグRC10傑,ⒸSPAIA


打者成績は、打撃の総合指標である「RC(Runs Created)」※の上位10傑を表にまとめた。

広島の中心打者だった丸佳浩が1位。5本塁打16打点もさることながら、ダントツの34四球が凄い。丸はこの年2年連続のMVP。翌年巨人に移籍、広島はここから下位に低迷する。丸という選手の存在がいかに大きかったかを物語る。

この年の月間MVPは巨人の坂本勇人が獲得。安打数と打率がトップ、RCも2位の活躍で堂々の初受賞となった。

※RC:特定の打者がどれだけの得点を生み出すことに貢献したかを表す。RCが10ならチーム得点のうち10点をその打者が生み出したことを意味する。

2018年セ・リーグ 3・4月防御率10傑(規定投球回数以上),ⒸSPAIA


この年は外国人の先発投手が好調で、メッセンジャーが最多勝で月間MVPに。ヤクルトのブキャナンは5回先発してすべてQS(6回以上自責点3以下)という安定感だった。

救援投手では、広島の中崎翔太が10セーブ。快調広島の守護神としてフル回転していた。続いて阪神のドリスが9セーブ。中継ぎでもやはり広島の今村猛が8ホールド。阪神の桑原謙太朗が6ホールドだった。

2019年も坂本勇人が首位打者でMVP

2019年 セ・リーグ 3・4月チーム成績,ⒸSPAIA


原辰徳監督が復帰した巨人が首位、0.5差でヤクルトが追いかける。しかしヤクルトは5月以降失速する。中日が珍しく打撃好調だった。

2019年3・4月 セ・リーグRC10傑,ⒸSPAIA


ヤクルト・山田哲人が好調なスタートを切る。盗塁も最多で4回目のトリプルスリーの期待がかかったが、この年は35本塁打、33盗塁したものの打率が.271で及ばなかった。

坂本勇人はこの年も3、4月の首位打者で月間MVPに輝いている。

前年本塁打王に輝いたDeNAのソトが11本塁打。この年も43本塁打で2年連続タイトルを獲得している。巨人に移籍した丸は前年ほどの勢いはなかったが、きっちり仕事はしていた。

2019年セ・リーグ 3・4月防御率10傑(規定投球回数以上),ⒸSPAIA


昨年不振に陥ったDeNAの今永翔太が復活。勝ち星に恵まれないものの5QSを記録した。前年DeNAから巨人にFA移籍した山口俊が最多タイの4勝で月間MVP。この年最多勝を獲得する活躍を見せた。広島の床田も4月だけで5勝したが以後失速し、7勝に終わった。

クローザーでは中日の鈴木博志が9セーブ、ヤクルトの石山泰稚が7セーブ。DeNAの山﨑康晃はまだ3セーブだったが、ここから盛り返し30セーブで2年連続でセーブ王に輝いた。

中継ぎでは中日のジョエリー・ロドリゲスが11ホールド。この年41ホールドでタイトル獲得。防御率0.93と圧倒的な成績だったが、翌年はMLBに復帰した。今季はメッツに所属している。

昨季は1番起用の菊池涼介と5戦5勝の高橋優貴がMVP

2021年 セ・リーグ 3・4月チーム成績,ⒸSPAIA


昨年は、今年とは対照的に阪神が開幕3連勝でスタートダッシュに成功。巨人、ヤクルトが追いかける展開だった。三浦大輔新監督のDeNAは最下位に沈んだ。

2021年3・4月セ・リーグRC10傑,ⒸSPAIA


この年優勝したヤクルトの村上宗隆が10本塁打で、同僚の山田哲人とともに本塁打トップ。首位打者は広島の菊池涼介で月間MVPも獲得した。前年まで2番を打ち「つなぐ打者」だったがこの年は1番に起用される。犠打は2に減ったが、シーズン16本塁打60打点を記録した。

岡本和真が24打点を荒稼ぎ。またこの時点ではDeNAから巨人にFA移籍した梶谷隆幸が9盗塁していた。しかし以後は故障で戦線離脱。坂本勇人は前年までの活躍ほどではなかったが、10傑に名を連ねた。坂本は典型的な「4月男」で、毎年のように開幕から活躍している。

2021年セ・リーグ 3・4月防御率10傑(規定投球回数以上),ⒸSPAIA


巨人の左腕、今村が2勝ながら安定感ある投球を見せたが、以後失速し3勝に終わる。同僚の高橋優貴が5戦5勝の目覚ましい活躍で月間MVP。この年11勝。巨人のエース、菅野智之は「4月男」とは言えないが、この3シーズン春先から10傑に名前が載っている。ここから調子を上げていくタイプなのだ。

この年優勝したヤクルトの投手は入っていない。4月時点で規定投球回に達している投手はいなかった。しかし石山泰稚が広島の新人栗林良吏と並ぶ8セーブでトップ。ホールドも新人の清水昇が中日の又吉克樹とともに11ホールドでトップ。昨年のヤクルトは開幕から継投策で戦っていたのだ。

今季の成績を見ても、故障で出遅れたはずの坂本勇人が打率.333とチームを引っ張っている。セ・リーグきっての「4月男」は、坂本勇人だと言ってよいのではないか。

※今季成績は4月5日終了時点

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