坂本勇人は打率.348、2本塁打、7四球
2022年のプロ野球が開幕し、開幕3カードが終了した。3月25日から4月3日までのwRAAを集計し、本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
セ・リーグトップは巨人の坂本勇人。開幕一軍から外れたものの3戦目の27日中日戦から合流し、7試合で打率.348、2本塁打、5打点でwRAAは5.1を記録した。1日の阪神戦で藤浪晋太郎から1号ソロを放つと、続く2戦目も小川一平から2号2ラン。いずれも初回に放ち、攻撃的2番として相手にダメージを与えた。
さらに特筆すべきはリーグ3位タイの7四球を選んでいること。打つだけでなく、選球眼でもチームに貢献している。チームも首位を走っており、坂本にとっても最高のスタートと言えるだろう。
上本崇司、サンタナ、牧秀悟がトップ
2位の広島は上本崇司がwRAA2.4でトップだった。プロ10年目の今季は開幕スタメンに名を連ね、ここまで8試合に出場してリーグ2位の打率.370をマークしている。内外野ともに守れるユーティリティープレーヤーとして貢献度は高い。
ヤクルトはサンタナがチームトップのwRAA4.4。開幕阪神戦でいきなり2本塁打を放ち、2本目は阪神の新守護神ケラーを打ち砕く決勝2ランだった。8試合出場で打率.345(リーグ8位)、4本塁打&10打点はいずれもリーグトップ。チームメイトの山田哲人に次いでワースト2位の11三振に目を瞑っても有り余る好成績だ。
4勝4敗で3位タイのDeNAは牧秀悟がトップ。昨年、新人史上4人目の3割&20本塁打をマークし、2年目の今季もここまで打率.345、2本塁打、6打点と好スタートを切った。wRAAは3.8。4番として1年間、打線を引っ張ることができればチーム成績にも好影響を及ぼしそうだ。
最多安打へ突っ走る大島洋平、阪神は大山悠輔が奮闘
中日はリーグトップの打率.395をマークしている大島洋平がwRAA3.9でトップ。36歳のベテランはここまで38打数15安打(リーグ1位)、1本塁打、5打点と絶好のスタートを切った。2019年から2年連続最多安打に輝いたヒットメーカーが3度目のタイトルへ突っ走るか。
開幕9連敗と出遅れた阪神は大山悠輔が奮闘している。9試合に出場して打率.355、1本塁打、6打点で、wRAAは3.4。4番の佐藤輝明にまだ一発が出ていないだけに、大山のバットでチームの窮地を救いたい。
セ・リーグのwRAAトップ5は坂本、サンタナに次いで岡本和真と丸佳浩の巨人勢が続く。やはり主軸が好調のチームが白星を積み上げているようだ。
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