昨季と同じ轍を踏むわけにはいかない
昨年は23試合に登板し、勝敗を見れば4勝9敗と期待に応えられなかった楽天の田中将大。防御率3.01、クオリティースタート(QS)が17試合とまずまずの成績を残しながら、味方の援護に恵まれなかった試合も多く、白星を積み上げることができなかった。
日本球界に復帰して2年目の今季は、昨季と同じ轍を踏むわけにはいかない。2013年以来のリーグ優勝、日本一を目指す上で、田中の活躍を欠かすことはできない。
昨年は23試合に登板し、勝敗を見れば4勝9敗と期待に応えられなかった楽天の田中将大。防御率3.01、クオリティースタート(QS)が17試合とまずまずの成績を残しながら、味方の援護に恵まれなかった試合も多く、白星を積み上げることができなかった。
日本球界に復帰して2年目の今季は、昨季と同じ轍を踏むわけにはいかない。2013年以来のリーグ優勝、日本一を目指す上で、田中の活躍を欠かすことはできない。
今季初登板となった3月29日のオリックス戦、敵地・京セラドームのマウンドに上がった田中は随所に“らしさ”を見せた。初回から最速154kmの直球が走り、得意のスプリットや縦のスライダーなどもキレ味抜群。オリックスに先制点こそ許したものの、7回4安打1失点の好投を見せた。
特筆すべきは制球力。無駄な四球を与えることなく(無四球)、終始危なげない投球を見せた。昨季は後半戦10試合に登板したが未勝利(0勝4敗)に終わっていたこともあり、白星は昨年7月13日のソフトバンク戦以来、259日ぶりとなった。この日も味方打線の援護は2点と少ないながらも、粘りの投球が実った。
勝負所でインコースの厳しい直球やスプリット、縦のスライダーが決まり、ストライクゾーンの中で動かす変化球で凡打の山を築いた。何よりも、昨季より直球の球速や質が格段に良くなっていることが大きい。
直球が走ることで動かす球も冴え、打者のミートポイントを微妙にはずしていく投球術はニューヨーク・ヤンキース時代を彷彿とさせた。7回を投げて投球数は93と100球以内におさめており、省エネ投球だったことも田中らしい。
昨季は知らない打者がほとんどで探りながらというケースも少なからずあったはずだ。しかし、昨季の経験を経たことで今季こそ真価を発揮する可能性は高い。今季初登板で白星を得たことで、昨季後半から続いていた負のイメージを早々に払拭できたことも大きい。
後ろを投げるアラン・ブセニッツや西口直人、松井裕樹らも今季はここまで安定した投球を見せ、新しいリードオフマンの西川遥輝が加わったことで攻撃に新たなリズムも生まれている。
経験豊富な先発投手陣に加え、昨季10勝を挙げた瀧中瞭太、2年目の早川隆久らもある程度計算できることで、他のチームと比べて先発投手陣の力は頭一つ抜けている。精神的支柱の田中に白星が順調についていけば、チームにますます勢いがついていきそうだ。
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