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坂本勇人、中村剛也、福留孝介 偉大なマイルストーン到達目前の3人の現役打者たち

2022 1/8 11:00広尾晃
巨人の坂本勇人,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

現役最年長の福留孝介、最高齢での2000安打達成へ

新しい年、2022年がやってきた。「マイルストーン」という言葉があるが、プロ野球では主として個人記録での「節目の数字」のことを表す。今回は、2022年のNPBで偉大なマイルストーンに挑む打者3人を取り上げよう。

【2000安打 これまで54人 あと49安打】
現役最年長選手の福留孝介は、昨年古巣の中日に移籍。40歳過ぎての移籍は「引退を見越してのもの」と見られがちだが、福留は42安打、4本塁打、18打点を記録。打率.218ながら貧打に悩む中日打線にあって3番で6試合、5番で33試合にスタメン出場し、勝負強い打撃を見せた。

あと49安打に迫った2000安打達成は十分可能な数字だ。達成すれば、最高齢での2000安打となる。

2000本安打 高齢での達成者5傑,ⒸSPAIA


【日米通算2500安打 これまで4人 あと51安打】
MLBではカブス時代にオールスターに1度選ばれるなど498安打を打ち、日米通算で2449安打。2000安打とほぼ同時期に日米通算2500安打も達成しそうだ。この記録はこれまで4人しか達成していない大記録だ。

日米通算2500安打達成者,ⒸSPAIA


福留は通算二塁打(408)、通算四球(1005)で現役選手1位と、すでにレジェンドとも言える。どこまで記録を伸ばすのだろうか。

中村剛也は450本塁打と歴代最多三振が目前

【通算450本塁打 史上14人目 あと8本】
中村剛也は38歳の昨年も4番で94試合スタメン出場するなど、中軸として活躍した。本塁打王6回は王貞治(15回)、野村克也(9回)に次ぐ史上3位、打点王4回も6位タイ。すでに大打者と言ってもよい。

現在442本塁打。あと2本で長嶋茂雄に追いつき、あと8本で史上14人目の450本塁打を達成する。

NPBの各本拠地は1988年開場の東京ドーム以降、大型化した。これまでの両翼90m中堅110m程度から両翼100m中堅120m程度にまで広くなったのだ。当然、本塁打は出にくくなったが、この1988年以降にデビューした選手では中村は現在史上3位。あと35本塁打で中村は球場が大型化して以降の最多本塁打者になる。

1988年以降デビュー選手の本塁打数上位5傑,ⒸSPAIA


「統一球」の導入によって本塁打数が激減した2011年、中村は48本塁打で3回目の本塁打王を獲得した。この本数は同じ年のロッテの総本塁打数より2本多かった。

【史上最多三振 現在清原和博に次ぐ2位 あと42三振】
中村は現在、1914三振。これは西武の先輩でもある清原和博の1955三振に次いで史上2位、あと42三振で歴代1位になる。

NPB三振数5傑,ⒸSPAIA


中村の三振数÷試合数の数値は1.0を超えており、1試合で1個以上三振をしていたことになる。NPBで1000三振以上を記録しているのは72人。その中で三振数が試合数を上回っているのはラルフ・ブライアント(1186三振、773試合、三振/試合=1.53)と中村のみ。

三振は不名誉な記録ではあるが、本塁打を打つために三振を恐れることなくバットを振り続けたともいえる。中村剛也は平成、令和を代表するスラッガーと言えるだろう。

初の遊撃手2000試合出場も見えてきた坂本勇人

【遊撃手2000試合出場 あと125試合】
2020年開幕時点の遊撃手としての通算最多試合出場は1768試合の鳥谷敬(ロッテ)で、1759試合の坂本勇人(巨人)は2位だった。

そして2021年、8試合で遊撃を守った鳥谷はこの年限りで引退し、遊撃手として116試合に出場した坂本は鳥谷を抜き史上1位になった。

遊撃手出場試合数5傑,ⒸSPAIA


遊撃手は内野手の中で最も守備範囲が広く、併殺参加も多い。また走者と交錯して怪我をするリスクも高い激務だとされている。それだけに30代半ばに差し掛かると三塁手など他のポジションにコンバートされることが多い。

史上2位の鳥谷敬も阪神時代の後期は三塁を守り、3位の石井琢朗も広島に移籍後2年目には三塁手となった。それほど、遊撃手としてキャリアを全うするのは非常に難しい。しかし、昨年もベストナインとゴールデングラブをW受賞した坂本は今季、遊撃で125試合守ることができれば、遊撃手として前人未到の2000試合出場を達成する。

ちなみにMLBで2000試合以上遊撃のポジションを守ったのは2709試合のオマー・ビスケルを筆頭に19人いる。最近はやや守備範囲が狭まっているが、坂本はどこまで遊撃手として出場できるだろうか。

また、坂本勇人の通算安打数は2118安打。ヤクルトの内川聖一の2182安打に次いで現役2位だが、早ければ今季中にも現役1位になるだろう。現在33歳、あと7年レギュラーで出場し年平均126安打を打ち続ければ、張本勲(41歳当時)の3085安打に次いで史上2人目となる3000本安打に到達する。そこまで遊撃手で出場する可能性は低いだろうが、この大記録にも挑戦してほしいものだ。

※年齢は2022年4月1日時点

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