得点圏でリーグ2位のコンタクト率をマーク
2021年は141試合に出場し、プロ10年目にして自身初タイトルとなる打点王を獲得した島内。自己最多の21本塁打を記録するなど、中軸としてチームのクライマックスシリーズ進出に貢献した。今回は、リーグ2位の得点圏打率をマークした島内の打撃について探っていきたい。
普段の島内は積極的にスイングしていく打撃スタイルではないが、得点圏になるとファーストストライクのスイング率が20ポイント近く上昇。アプローチを大きく変えても打撃の質が下がることはなく、得点圏でのファーストストライク打率は4割に迫る数字を残した。
得点圏での島内の特徴は、巧みなバットコントロールだ。コンタクト率はストレート、変化球ともに優秀で、特に変化球に対する数値がリーグ平均を大きく上回っている。トータルでは89.1%で、パ・リーグの規定打席到達者29人の中で2位という高さだった。
島内自身は好成績の要因について「集中力」や「タイミングの取り方」を挙げている。相手のピッチングを見極め、どの球種にも対応できる柔軟性が、勝負強さの源といえそうだ。
得点圏でフライ・ライナーの割合増加
また、島内は「軽い力で飛ばす方法を、ちょっと分かった」とも語っている。そこで得点圏での打球性質に注目すると、得点圏でない場面と比べてゴロ割合が減り、長打になりやすいフライやライナーの割合が増えていることが分かる。
そして、フライとライナーを合計した割合では、島内はマーティンやレアードといったパワーヒッターに交じってリーグ上位に入っている。実際、2021年の得点圏で放った45安打のうち、長打は26本と半数以上を占めた。好機でコンタクト率の高さと打球の強さを両立し、文字通りクリーンアップの仕事を全うした。
2021年シーズンの楽天はリーグ5位の得点圏打率.239とチャンスを生かせず、残塁1085は12球団でワーストの数字だった。そんな中で出色の活躍を見せた島内。打点を挙げた後の“島内語録”と呼ばれる独特のコメントも、すっかりチームの名物となった。2022年も狙いすましたスイングで多くの得点を生み出し、ファンを楽しませてくれるだろう。
※文章、表中の数字はすべて2021年シーズン終了時点
企画・監修:データスタジアム
執筆者:秋山 文
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