和田毅や松田宣浩ら高額年俸の実績組もプロテクト
ソフトバンクが国内FA権を行使した又吉克樹(中日)の獲得を発表した。又吉は球団の年俸上位10人以内に入っていると推測され、中日はソフトバンクに対し金銭のみの補償(旧年俸の6割)か、人的補償及び金銭補償(旧年俸の4割)を要求することができる。
中日がどのような補償を要求するかは定かではないが、人的補償(及び金銭補償(旧年俸の4割))を要求した場合のシミュレーションを行ってみたい。その場合、ソフトバンクが提出する28名のプロテクトリストに記載のない選手から1名を獲得できる。まずはそのプロテクトリストの予想だ。
12月2日に公示されたソフトバンクの保留者名簿は59名の選手が記載されていた。そこからスチュワート、モイネロ、グラシアル、デスパイネの4外国人選手を除く55名がプロテクトリストの対象となる。つまり28名がプロテクトされ27名がリストから漏れるわけだ。
編集部独自で予想したプロテクトリストは下記のようになった。
<予想プロテクトリスト>
【投手】15名
津森宥紀、東浜巨、岩嵜翔、甲斐野央、和田毅、石川柊太、森唯斗、杉山一樹、千賀滉大、古谷優人、板東湧梧、泉圭輔、嘉弥真新也、松本裕樹、笠谷俊介
【捕手】3名
甲斐拓也、栗原陵矢、海野隆司
【内野手】7名
松田宣浩、今宮健太、周東佑京、牧原大成、三森大貴、リチャード、井上朋也
【外野手】3名
中村晃、柳田悠岐、柳町達
投手は千賀滉大や石川柊太に東浜巨といった先発ローテーション当確組。森唯斗や津森宥紀、嘉弥真新也ら中継ぎの主戦力。そして頭角を現しつつある古谷優人、板東湧梧、泉圭輔らに加え、実績のある和田毅と岩嵜翔もプロテクトした。さらに、甲斐野央、杉山一樹、松本裕樹、笠谷俊介の4人も中日の戦力及び他投手との比較でリストに入れている。
捕手は甲斐拓也と海野隆司に、今季捕手での出場はないが捕手登録となっている栗原陵矢をプロテクトした。内・外野手は中村晃、柳田悠岐といった不動のレギュラーに加えチームを支えてきた松田宣浩に今宮健太の実績組。そこに周東佑京、牧原大成、三森大貴の3人。さらには有望株のリチャード、井上朋也、柳町達の3選手を加えた。
プロテクトする際に悩ましかったのが、実績のあるベテラン組の存在だ。投手では和田、野手では松田や今宮がそれにあたる。和田と今宮はそれぞれ1億5000万円、2億9000万円の現状維持で来季の契約を結び、松田は12月18日時点で契約更改を終えていないが、今季の年俸は4億5000万円と、いずれも高額だ。
中日は沢村賞投手の大野雄大が3億円、野手では大島洋平の2億5000万円が最高金額。野手に関しては、大島以外に日本人選手の1億円プレーヤーはひとりもいない(金額はいずれも推定)。こういった事情を考慮すると、高額年俸の選手はプロテクトリストから外しても獲得される可能性は低そうだ。
しかし、“万が一“が起こってしまってからでは遅い。念には念を入れて彼らもプロテクトした。高年俸のベテランと若手有望株を天秤にかけた結果、近年のドラフト1位含め若い選手が漏れる形になってしまった。