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又吉克樹がソフトバンクへFA移籍、プロテクトリスト28人を予想 人的補償は中日に縁の深い投手か?

2021 12/19 06:00SPAIA編集部
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和田毅や松田宣浩ら高額年俸の実績組もプロテクト

ソフトバンクが国内FA権を行使した又吉克樹(中日)の獲得を発表した。又吉は球団の年俸上位10人以内に入っていると推測され、中日はソフトバンクに対し金銭のみの補償(旧年俸の6割)か、人的補償及び金銭補償(旧年俸の4割)を要求することができる。

中日がどのような補償を要求するかは定かではないが、人的補償(及び金銭補償(旧年俸の4割))を要求した場合のシミュレーションを行ってみたい。その場合、ソフトバンクが提出する28名のプロテクトリストに記載のない選手から1名を獲得できる。まずはそのプロテクトリストの予想だ。

12月2日に公示されたソフトバンクの保留者名簿は59名の選手が記載されていた。そこからスチュワート、モイネロ、グラシアル、デスパイネの4外国人選手を除く55名がプロテクトリストの対象となる。つまり28名がプロテクトされ27名がリストから漏れるわけだ。

編集部独自で予想したプロテクトリストは下記のようになった。

<予想プロテクトリスト>
【投手】15名
津森宥紀、東浜巨、岩嵜翔、甲斐野央、和田毅、石川柊太、森唯斗、杉山一樹、千賀滉大、古谷優人、板東湧梧、泉圭輔、嘉弥真新也、松本裕樹、笠谷俊介

【捕手】3名
甲斐拓也、栗原陵矢、海野隆司

【内野手】7名
松田宣浩、今宮健太、周東佑京、牧原大成、三森大貴、リチャード、井上朋也

【外野手】3名
中村晃、柳田悠岐、柳町達

投手は千賀滉大や石川柊太に東浜巨といった先発ローテーション当確組。森唯斗や津森宥紀、嘉弥真新也ら中継ぎの主戦力。そして頭角を現しつつある古谷優人、板東湧梧、泉圭輔らに加え、実績のある和田毅と岩嵜翔もプロテクトした。さらに、甲斐野央、杉山一樹、松本裕樹、笠谷俊介の4人も中日の戦力及び他投手との比較でリストに入れている。

捕手は甲斐拓也と海野隆司に、今季捕手での出場はないが捕手登録となっている栗原陵矢をプロテクトした。内・外野手は中村晃、柳田悠岐といった不動のレギュラーに加えチームを支えてきた松田宣浩に今宮健太の実績組。そこに周東佑京、牧原大成、三森大貴の3人。さらには有望株のリチャード、井上朋也、柳町達の3選手を加えた。

プロテクトする際に悩ましかったのが、実績のあるベテラン組の存在だ。投手では和田、野手では松田や今宮がそれにあたる。和田と今宮はそれぞれ1億5000万円、2億9000万円の現状維持で来季の契約を結び、松田は12月18日時点で契約更改を終えていないが、今季の年俸は4億5000万円と、いずれも高額だ。

中日は沢村賞投手の大野雄大が3億円、野手では大島洋平の2億5000万円が最高金額。野手に関しては、大島以外に日本人選手の1億円プレーヤーはひとりもいない(金額はいずれも推定)。こういった事情を考慮すると、高額年俸の選手はプロテクトリストから外しても獲得される可能性は低そうだ。

しかし、“万が一“が起こってしまってからでは遅い。念には念を入れて彼らもプロテクトした。高年俸のベテランと若手有望株を天秤にかけた結果、近年のドラフト1位含め若い選手が漏れる形になってしまった。

武田翔太や上林誠知らの実績組もリスト外に……

55名から予想プロテクトリストに記載した28名を除くと、下記の27名が漏れることになる。

<予想プロテクトリスト漏れ>
【投手】10名
大竹耕太郎、武田翔太、田中正義、高橋礼、椎野新、尾形崇斗、大関友久、高橋純平、田浦文丸、奥村政稔

【捕手】4名
牧原巧汰、谷川原健太、九鬼隆平、渡邉陸

【内野手】7名
川瀬晃、髙田知季、明石健志、増田珠、川原田純平、野村大樹、小林珠維

【外野手】6名
中谷将大、佐藤直樹、笹川吉康、上林誠知、水谷瞬、真砂勇介

中日の補強ポイントを考えると、又吉の抜けた中継ぎを含めた投手が1番の候補となる。とはいえ、又吉が担うとみられていた「8回の男」を、人的補償で獲得した選手に任せるのは難しいだろう。

だが、今回の予想では、実績のある武田翔太(2011年)、高橋純平(2015年)、田中正義(2016年)と3人のドラフト1位、さらには日本代表経験のある高橋礼や先発左腕の大竹耕太郎がプロテクトから漏れている。先発、中継ぎどちらの穴を埋めるにしても候補は多い。

一方で、今シーズンの中日は外野手の駒不足に苦しんだ。そのため、10月に行われたドラフト会議では右の外野手を3名も獲得し強化に務めた。また立浪監督は、根尾昂を外野に専念させることを明言した。そう考えると外野手を人的補償として選択する可能性は低く見える。

しかし新人はもちろん、根尾もシーズンを通したレギュラーとしての活躍は未知数。2019年ドラフト1位の佐藤直樹や実績のある上林誠知がプロテクトされていなければ、獲得してもおかしくないだろう。

捕手は一軍経験の少ない4選手のみ。内野手は来年36歳となる明石健志や、来シーズン高卒5年目、今季二軍で97試合に出場した増田珠、増田の一学年下にあたる野村大樹と若手からベテランまでが漏れた。ただ、中日の補強ポイントとはマッチしておらず、投手や外野手と比べるとあまり魅力的ではなさそうだ。

投手と外野手を中心に考えると田中、武田、高橋礼、高橋純、上林、佐藤らが獲得の候補となる。そのなかで来年25歳とまだ若い高橋純を人的補償候補の一番手としてあげたい。高橋純は2019年に45試合の登板で3勝2敗、17ホールド、防御率2.65と結果を残した。今シーズンも10試合の登板で1勝1敗2ホールド、防御率0.00と少ない登板試合数ながら戦力となっている。

また2015年のドラフト会議で1位入札した過去もあり、岐阜県の出身と中日とは縁が深い。ブレイクしそうでできなかった高橋純が移籍をきっかけに、地元にほど近い名古屋の地で花開くといったストーリー性もある。

プロテクトリストが公の目に触れることはない。把握できるのは、人的補償で移籍した選手がリストに入っていなかったことだけ。はたして両球団はどのような選択をするのだろう。その選択に要注目だ。

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