吉田正尚以来の大卒ドラ1
25年ぶりにリーグ優勝を果たしたオリックスの新人選手入団発表会見が11日、大阪市内で開かれ、育成3人を含むドラフト指名された10人がユニフォーム姿で出席した。
ドラフト1位の椋木蓮投手(21=東北福祉大)は球団6年ぶりの大卒ドラ1。2018年から太田椋(天理高)、宮城大弥(興南高)、山下舜平大(福岡大大濠高)と3年連続高校生が続いており、2017年は田嶋大樹(JR東日本)、2016年は山岡泰輔(東京ガス)と社会人だったため、大卒は2015年の吉田正尚(青山学院大)以来なのだ。
投手に限れば2014年の山﨑福也(明治大)以来7年ぶり。抽選などの巡り合わせもあったとはいえ、いい素材を大きく育てる方針のオリックスが見逃すことのできないほどの逸材だったとも言えるだろう。
最速154キロ、スライダーも抜群のキレ
当然ながらそこまで評価が高いのには訳がある。山口県出身で高川学園高時代は2年夏に甲子園出場したものの登板はなし。東北福祉大では1年春からリーグ戦に出場し、通算15勝1敗、防御率0.69、奪三振率11.23をマークした即戦力右腕だ。
スリークォーターから繰り出す最速154キロのストレートとキレのいいスライダーは絶品。本人も「ストレートの伸びとスライダーは自信があります」と話す。
大学のある仙台では楽天の試合中継を観る機会が多く、目標とする投手に楽天の岸孝之を挙げる。「力感のないフォームから伸びのあるストレートを投げるから」と明かす理由は、自らが描く理想像でもある。
ドラフト後に一度対面する機会があり、連絡先も交換したという。「投げ合いたい」とマウンドで対峙する日を心待ちにする。
西武・森友哉と「真っ向勝負したい」
チームには沢村賞の山本由伸や今季13勝を挙げた宮城大弥、8勝を挙げた左腕・田嶋大樹、2019年に最高勝率に輝いた山岡泰輔ら豪華先発陣がいる。クローザーの平野佳寿は今季29セーブを挙げたが、来年3月で38歳とベテランなため、椋木はリリーフで起用される可能性もある。
本人も「足りないピースを埋めたい」と必要とされるポジションで活躍したい意欲を持っており、「先発なら10勝、中継ぎなら50試合登板、抑えなら最後をきっちり締めくくりたいです」とどこでも対応する心構えはできている。
対戦したい打者には西武の森友哉を挙げ「真っ向勝負したい」と度胸のいいところも披露。背番号は15に決まり「10番台は嬉しい。恥じない投手になりたいです」と意気込んだ。
愛称は名字のむくのきから「ムック」。今季多くの若手が台頭したオリックスで、また一人、新戦力がむくむくと湧き上がるかも知れない。
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