チームOPS.731はリーグトップ
2021年のヤクルトは神戸の地で20年ぶりの日本一に輝いた。2年連続最下位、さらには開幕カードで3連敗を喫したものの、高津臣吾監督が見事にチームを立て直した。
この大躍進には複数の要因がある。特に、オスナとサンタナの2人の加入により打線に厚みが増したことと、奥川恭伸と高橋奎二ら若い先発投手たちの台頭は大きかっただろう。では、昨年と比べてチームのスタッツはどのように変化したのだろうか。打撃スタッツ、投手スタッツを昨シーズンと比較してみた。
得点力は大きく上がった。今シーズンは昨シーズンと比べて試合数が23試合増えているため、総得点で単純比較はできない。それでも1試合平均得点は、3.9点から4.37点と0.47点も増加している。昨シーズンから平均得点が増加したのは、セ・リーグでは唯一、ヤクルトだけだった。
1試合の平均で見ると、安打と本塁打もそれぞれ上昇しているが、意外にも本塁打は0.04本と微増にとどまっている。また、試合数が増加したにもかかわらず、盗塁は減少。これまでに3度のトリプルスリーを成し遂げている山田哲人も、昨シーズンの8盗塁から4つ減らし4盗塁に終わった。
出塁率と長打率はともに上昇しており、その結果OPSも大きく上がった。OPS.731はセ6球団でトップの数字で、昨シーズンから上昇したのは平均得点同様、セ・リーグではヤクルトだけだった。
OPSについて個々の数字を見ると、平均以上とされる.700以上の選手(※)も大幅に増えた。昨シーズンは村上(1.012)が圧倒的な数字を残したものの、青木宣親(.981)、山田(.766)と、あわせて3人しか.700を超えなかった。
それが今シーズンは、村上(.974)、山田(.885)、サンタナ(.877)、塩見泰隆(.798)、青木(.719)、中村悠平(.718)と計6人がクリア。村上はやや数字を落としたものの、投手を除いた8人のスタメンのうち6人が.700を超えたことで、チーム全体としては大きく上昇した。
※打席数が規定打席の3分の2以上の選手を対象。