補強実らず打撃スタッツは大幅に悪化
今シーズンの巨人はセ・リーグ3連覇を目指すも、借金1の3位に終わった。クライマックス・シリーズではファースト・ステージで阪神に連勝し、ファイナルステージに進んだものの、リーグ覇者のヤクルトの前に2敗1分けと1勝もできず敗退した。
昨オフの巨人の動きを振り返ると、退団した主力はおらず、外国人選手や国内FA選手の補強を行い、戦力の上積みに成功していたように見える。しかし結果は3位に終わり、日本シリーズにも進出できなかった。はたして数字面ではどのような変化が起きていたのだろうか。打撃スタッツと投手スタッツに分けて振り返ってみたい。
打撃スタッツはほぼ全項目で悪化した。新外国人のスモークとテームズ、そしてFAで加入した梶谷隆幸が、そろって期待通りの働きができなかったことが大きく影響している。
そのなかで唯一、良化したのが本塁打だった。169本は12球団最多。試合数が120試合から143試合に増えたこともあり総本数は34本増加している。1試合平均で見ても0.05本とごく僅かではあるが増えた。
昨シーズンは2桁本塁打達成者が岡本和真、丸佳浩、坂本勇人、ウィーラーの4人だったが、今シーズンは松原聖弥と大城卓三の2人も加わり合計6人となった。2桁本塁打達成者6人は12球団でもっとも多い。どこからでも本塁打が出る脅威の打線を形成していた。
しかし、打率、出塁率、長打率はすべて悪化。安打数、得点数も減少しチームの得点力アップには寄与していない。なかでも気になるのが四球数だ。表にはないが、昨年は120試合で423四球を奪い1試合平均は3.53四球だったが、今年は143試合で431四球。1試合平均は3.01四球となり、出塁率の悪化に大きく影響している。
また盗塁数も減少した。代走の切り札だった増田大輝が23盗塁から8盗塁に大きく減らしたのが要因だろう。