佐藤輝加入も得点力は低下
今シーズンの阪神は開幕から首位を快走。2位の巨人に2ゲーム差をつけて前半戦を折り返した。しかし後半戦でヤクルトに屈し、2年連続の2位に終わった。日本一を目指し心機一転臨んだクライマックス・シリーズでは、ファースト・ステージで巨人に連敗。11月7日にシーズンを終えた。
チーム状況を見ると今シーズンの阪神は佐藤輝明、中野拓夢、伊藤将司の新人が文字通り即戦力となり、主力としてチームを支えた。この3人の加入によって、投打のスタッツは昨シーズンと比べてどのように変化したのか振り返ってみたい。
まず、打撃スタッツを見ると総得点はアップしていた。しかしこれには120試合制から143試合制になったことが影響しており、1試合平均で見ると、得点力は落ちていた。一方、安打の1試合平均は若干ではあるが増加。ただ、意外なことに佐藤輝の加入で大幅増となっていそうな1試合あたりの本塁打数は減少している。
盗塁は昨シーズンの80盗塁に中野の30盗塁分が上積みされたのとほぼ同じ114盗塁。盗塁王を獲得した中野の存在が盗塁数を引き上げたと言え、チーム全体で走る意識がついたわけではなさそうだ。
打率は若干上昇したが、出塁率、長打率、OPSはすべて下降した。とくに、大山悠輔が打率(.288→.260)、出塁率(.357→.313)、長打率(.560→.453)、OPS(.918→.765)と大きく数字を下げたのが響いている。
またサンズも後半戦で不振に陥り、長打率こそ.451で横ばいだが、打率(.257→.248)、出塁率(.363→.328)、OPS(.814→.779)と3項目で成績が下降。10月2日に登録を抹消されてから一軍に復帰することなく、クライマックス・シリーズでも昇格は見送られた。
昨シーズンから佐藤輝の加入で本塁打や長打が大きく増え、打撃スタッツの多くは上昇しているかと思われたが、チーム全体で見るとそうではなかった。