CS2試合で8打数1安打2三振の坂本
セ・リーグのクライマックスシリーズファーストステージで阪神に2連勝し、ファイナルステージにコマを進めた巨人。ただ、本塁打王と打点王の2冠に輝きながらCSファーストステージ2戦とも欠場した主砲の岡本和真とともに心配の種がもうひとつある。
キャプテン坂本勇人の元気のなさだ。CS2試合とも3番ショートでスタメン出場したが、初戦が4打数1安打1三振、2戦目が4打数無安打1三振で計8打数1安打2三振に終わっているのだ。
2戦目は岡本の代役4番を務めた丸佳浩が2安打2打点と気を吐いたが、坂本がブレーキだと打線のつながりが悪くなる。原辰徳監督が打順の組み換えをするか、あるいは坂本自身が復調のきっかけをつかまないと、1試合のアドバンテージがあるヤクルトとの戦いは厳しいものになる。
高めを凡打か、外角低めで三振
今季は117試合に出場して打率.271、19本塁打、46打点。右手親指を骨折して5月10日に抹消され、約1カ月間戦列を離れたものの東京五輪にも出場して金メダル獲得に貢献。成績だけを見れば、悪くない1年だろう。
ただ、ストライクゾーンを9分割したSPAIAのデータでは、坂本の弱点がハッキリと表れている。
2021年シーズンを通して、高めがからっきし打てていないのだ。内角高めは23打数1安打、真ん中高めは41打数8安打、外角高めは35打数3安打。いずれも打率2割未満を示す水色に染まっている。
どんな強打者でも外角低めの打率は低いことが多いが、ここまで高めの数字が悪い打者も珍しい。ややドアスイングのきらいがある坂本は、下からすくいあげるように振るため高めはミスショットが増えるのだろう。
三振数を見ると、内角高めが4、真ん中高めが5、外角高めが10。3つ合わせても外角低めの26三振より少ない。つまり高めを凡打するか、高めを意識するあまり外角低めで空振り三振しているか、どちらかが多いことが分かる。
10月の月間打率.167と大不振
坂本が高めを苦手にしていることは、各球団のデータに当然入っているだろう。ヤクルト投手陣も高めとアウトローの高低で攻めてくるはずだ。
坂本は10月の月間打率が.167。9月の.352に比べると、大きく調子を落としている。CSファーストステージで8打数1安打と苦しんだのも、その延長線上にあると言える。
日本シリーズ3連覇に向け、キャプテンが快音を響かせればチームが勢い付くことは間違いないが、現状のままでは多くを望めそうにない。原監督はファイナルステージでも3番で起用するだろうか。短期決戦の難しさはここにある。
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