BB/Kから見えるセ・リーグ打者のタイプと傾向
BB/Kは打者に関するセイバーメトリクスの指標だ。四球数を三振数で割った単純な数値だが、打者の様々な特徴が見えてくる。BB/Kの数値が大きい選手は四球が多く三振が少なく、選球眼が良いといえる。そして数値から、打者のタイプや傾向といった深い部分も見えてくる。
意外なことに、セでBB/Kが最も高いのは阪神のマルテだ。今季は主として3番を打って勝負強い打撃を見せたものの、打撃成績的には抜群ではなかった。しかし優れた選球眼でチームに貢献した。
ランキングを見ると、BB/Kが高い選手には2つのタイプがあることが分かる。一つは四球も三振も多い選手だ。これは本塁打の多いスラッガーでもあるので、相手投手が警戒し四球になることが多い。
だが、同時にフルスイングもするので三振も多くなる。三振は本塁打のコストでもある。広島の鈴木誠也、村上宗隆、山田哲人のヤクルト勢などがこれにあたる。
もう一方は四球も三振も少ない「早打ち」タイプだ。ファーストストライクから積極的に打っていくので、好球必打のアベレージヒッターが多い。ヤクルトの青木宣親、中日の大島洋平などがこれにあたり、イチローもこのタイプになる。
では、セのBB/Kワースト10はどんな顔ぶれだろう
荒っぽい印象がある外国人打者の名前があるのは納得でき、「若手」が多いとも言えるため、新人王争いをする阪神の中野拓夢、佐藤輝明、DeNAの牧秀悟らの名前が並んでいる。
デビュー直後はプロの投手についていけず三振の山を築くことが多いが、それにもめげず積極的にバットを振る選手が少しずつ数字を上げていく。
それにしても佐藤の数字はすさまじい。シーズン173三振は日本人選手では歴代3位の多さだ。四球の少なさから、後半戦は投手の「カモ」になっていたことも分かる。