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DeNA宮﨑敏郎が大型6年契約で残留を決意したハマスタ最終戦の夜

2021 10/29 17:27SPAIA編集部
DeNAの宮﨑敏郎,横浜DeNAベイスターズ提供
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横浜DeNAベイスターズ提供

事実上の「生涯ベイスターズ宣言」

DeNAの宮﨑敏郎内野手(32)が29日、横浜市内の球団事務所で会見し、今年6月に取得した国内FA権を行使せずに残留することを表明した。球団から提示された契約年数は6年であることを自ら明かし、事実上の「生涯ベイスターズ宣言」となった。

会見では言葉をひとつひとつ選びながら「横浜ベイスターズというチームが好きですし、熱狂的なファンの前でプレーできることは嬉しいですし、ファンの皆様と勝って喜びを分かち合いたいのが一番です」と理由を説明。

FA権を取得して間もなく球団と話し合いを始め、三浦大輔監督やフロントからも熱い言葉で口説かれた。その中で出てきたのが6年契約。「最初お話をいただいたときはビックリしたし、まさかという思いもあった。その半面、必要とされているという気持ちになった。横浜で最後を迎えてほしいという言葉もいただきました」と打ち明ける。

FA宣言して他球団の評価を聞いてみたいと思うのはプロとして当然だ。それでも26日のホーム最終戦後、グラウンドを一周している時に声援を送ってくれるファンを見て決断した。

「ベイスターズで優勝したいです」。球団にそう伝えた。

「3割カルテット」で最下位からの逆襲へ

宮﨑は厳木高、日本文理大、セガサミーを経て2012年ドラフト6位でDeNAに入団。2017年に打率.323で首位打者に輝くなど、巧みなバットコントロールで安打を量産してきた。今季も打率.301、16本塁打、73打点と好成績を残し、通算では835試合出場で885安打、102本塁打、359打点、打率.302。もし、FA宣言すれば争奪戦になると見られていた。

今季推定年俸は1億7000万円。高条件での6年間が保証され、目指すは1998年から遠ざかっている優勝しかない。

26日にヤクルトに敗れた際は、目の前で高津臣吾監督が胴上げされた。「悔しい思いはあったし、自分たちもやらないとという気持ちになった」と決断に至る理由のひとつだったと明かす。

チームではルーキー牧秀悟が打率.314をマークし、桑原将志(.310)、佐野恵太(.303)とともに「3割カルテット」を形成。規定打席には足りなかったが、オースティンも.303をマークしており、宮﨑の残留で強力打線は来季も維持される。2年連続最下位から頂点に立ったヤクルトのように、投手陣を整備できればDeNAにとっても夢物語ではないはずだ。

「このメンバーで優勝したい気持ちは強い」。短い言葉に込めた宮﨑の決意は固い。

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