ともに38本塁打もパワーは村上が上
プロ野球の優勝争いが佳境に入るが、同時にタイトル争いも熾烈を極めている。セ・リーグの本塁打王争いは巨人・岡本和真とヤクルト・村上宗隆が38本塁打で並ぶ。球界を代表する2人のスラッガーはどちらが優れた打者なのか、データで比較してみた。
表の通り、本塁打や打球を飛ばすことに関しては村上が一枚上だ。長打率は村上が.593で岡本が.562。長打率はシングルヒットも含まれるため、より純粋な長打力を示すIsoPは村上が.314で岡本が.289となっている。
本塁打を打つまでにかかる打数を示すAB/HRも村上が11.1で岡本が12.2。フライに占める本塁打の割合を示すHR/FBは村上の25.5%に対し、岡本は17.2%となっている。
安打数や三振の少なさでは岡本
打率は.279の村上が.272の岡本をわずかにリードしているが、安打数は126本の岡本が118本の村上より多い。
2019年に歴代4位のシーズン184三振を喫した村上は、年々減っているとはいえ今季も110三振。阪神・佐藤輝明(158三振)、ヤクルト・塩見泰隆(130三振)に次いでリーグワースト3位を記録している。岡本も三振は少なくないが、それでも93三振に抑えている。
必然的に三振をひとつ取られるまでの打席数を示すPA/Kも4.70の村上より5.56の岡本の方が優秀だ。
打点は前を打つ打者に影響されるため一概には言えないが、岡本が106でリーグトップ。村上が100打点で2位につけている。
リーグトップの四球数を誇る村上
意外なのは四球数で大差がついていること。村上はリーグトップの88四球を選んでいるが、岡本は43四球。これはリーグ11位の数字で、ボール球の見極めは岡本の課題だろう。
「出塁率-打率」で算出し、選球眼を示す指標のIsoDも当然ながら村上の.125に対し、岡本は.064と大きく引き離されている。
出塁率も四球数と連動するため、.404の村上が.337の岡本をリードしている。従って「出塁率+長打率」で算出するOPSも村上が.998、岡本が.898と、ちょうど.100の差がついている。
さらに、これも意外とは言っては失礼だが、村上はリーグ6位の12盗塁をマーク。1盗塁の岡本をスピードでも圧倒している。
確実性では岡本に分があるものの、パワーやスピード、選球眼では村上の方が勝っていると言えそうだ。球史に残るハイレベルな日本人スラッガー同士の本塁打王争いはどちらに軍配が上がるか。最後まで目が離せない。
※成績は9月30日現在
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