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近鉄、ダイエー、南海、阪急の「最後の5人」は?「横浜」も現役は残り僅か

2021 9/16 11:00広尾晃
ヤクルトの坂口智隆,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

近鉄は坂口智隆がラストサムライ、近藤一樹は独立リーグへ

ヤクルトの坂口智隆が8月15日にHard Off Ecoスタジアム新潟で行われたDeNA戦で、NPB史上197人目の1500試合出場を果たした。2000安打などと比べれば地味だが、毎年100試合出場しても15年かかる偉大な記録だ。

坂口は大阪近鉄バファローズ最後の現役選手。2004年シーズン中に起こった球界再編で、近鉄はオリックス・ブルーウェーブと合併した。オリックスは翌2005年、オリックス・バファローズとなり、近鉄は消滅した。あれから16年が経過し、坂口が近鉄を知る最後の1人となった。

1試合でも近鉄で一軍の試合に出場し、球団が消滅してから他球団で現役生活を永らえた「最後の5人」を並べるとこうなる。「年齢」は近鉄最終年の年齢。

大阪近鉄バファローズ最後の5人


昨年まで元近鉄の現役選手は、坂口に加え、巨人の岩隈久志、ヤクルトの近藤一樹と3人いた。とはいえ岩隈はMLBマリナーズから巨人に復帰して2年間一軍出場がないまま引退。実質的にはヤクルトの坂口と近藤が最後の2人だった。

近藤は2020年はやや不振だったが、本人は「まだいける」と思っていただけに、戦力外通告は予想外だったようだ。今季は独立リーグ香川で選手兼任コーチを務め、後期シーズンはクローザーとして活躍。またコーチとしても選手にアドバイスをしている。

最近取材をしたが、香川の選手からは「近藤コーチに声をかけてもらって、投球が変わった」とコーチングも好評だ。

ダイエーは和田毅と明石健志が現役

同じ2004年にダイエーホークスは、親会社ダイエーの経営不振によりソフトバンクに親会社が変わった。ダイエー時代を知る「最後の6人」はこうなっている。

ダイエーホークス最後の6人


松坂世代最後の現役選手になった和田毅と、内外野どこでも守れるユーティリティプレイヤーの明石健志の2人が現役。和田は一時期MLBに移籍したが、ホークスに復帰している。

ダイエーからソフトバンクへの身売りは、本拠地球場は変わらず、王貞治監督も留任したため、体制に大きな変化はなかった。そのため多くの選手がそのままソフトバンクで現役を続行した。

そのなかで井口資仁は、ダイエーが身売りしたタイミングでMLBに挑戦。ホワイトソックスなどで活躍したのちにロッテに復帰し、今やロッテの監督として優勝争いをしている。

南海は左腕・吉田豊彦が2007年に引退

ホークスと言えば、1988年に大阪を本拠とする南海ホークスが福岡に移転し、ダイエーホークスとなった。これも野球史の大きな事件だった。南海時代を知る「最後の6人」を見てみよう。

南海ホークス最後の6人


南海の身売り後、ダイエーを皮切りに4球団を渡り歩いた中継ぎ投手・吉田豊彦が2007年まで現役。今は独立リーグ高知の監督だが「阪神時代に教えを受けた野村克也監督のおかげで長く投げることができた」と語っている。

2番目の加藤伸一は、主として先発で活躍。通算92勝を挙げている。

異色の存在が山本和範だ。近鉄から南海に移籍、ホークスの福岡移転時にはすでに31歳だったが、ここからベテランの味を発揮。1994年、37歳のシーズンには当時21歳のイチローと首位打者争いを演じて2位。今は郷里の九州に戻った山本は「最後はえらく離されたけど、イチローくんと争ったのはわしの自慢や」と懐かしそうに語る。

なお、南海最後の選手としてはダイエー・ソフトバンク、巨人でプレーし、2010年限りで引退した大道典良の名前が挙がることがあるが、大道は南海最終年の1988年に入団したものの一軍出場はなかった。

オリックス・中嶋聡監督は「最後の阪急戦士」

この年、阪急ブレーブスもオリックス・ブレーブス(のちブルーウェーブ)となる。本拠地は西宮球場のままだったが、チームカラーが変わり、球団のイメージもガラッと変わった。

阪急時代を知る「最後の5人」を見てみよう。

阪急ブレーブス最後の5人


現オリックス監督の中嶋聡は1987年、ドラフト3位で阪急に入団。翌シーズンには、この年限りで引退する山田久志の球を受けている。オリックスでは正捕手として佐藤義則、星野伸之らの球を受け、西武移籍後は、松坂大輔ともバッテリーを組む。

さらに横浜を経て日本ハムではダルビッシュ有の球を受けた。大谷翔平ともキャリアが重なっているが、最晩年の中嶋はコーチ兼任で出場が極めて少なく、バッテリーを組むことはなかった。

実働は29年に及ぶ。同じ2015年限りで引退した、元横浜、中日の大捕手・谷繁元信とともに「昭和」を知る最後の選手でもあった。

2位の高木晃次は、先発、救援で活躍した左腕投手。オーバースロー、サイドスローなど変幻自在に投げ方を変える変則投法で41歳まで投げた。

横浜ベイスターズ出身も現役は7人のみ

最近、球団名が変わったのはDeNAだ。2011年限りで親会社が変わり、横浜ベイスターズから横浜DeNAベイスターズとなった。略称は横浜からDeNAに。わずか10年前だから、現役選手はたくさんいるように思うが、実は下記の7人だけだ。

横浜ベイスターズ現役選手


MLBで活躍する筒香嘉智、今年MLBから巨人に復帰した山口俊らがいるが、横浜時代から引き続きベイスターズに在籍しているのは救援左腕の田中健二朗だけ。田中は2019年にトミー・ジョン手術を受けて育成契約となったが、今年、支配下に復帰し9月に入って一軍復帰を果たした。国吉も今季までDeNAに在籍していたが、シーズン中にロッテに移籍した。

プロ野球選手の実働年数は平均すれば4年程度と言われている。10年も経てば選手はあらかた入れ替わる。

プロ野球では、長くユニフォームを着てプレーすること自体が大変なこと。「最後の5人」は、競争に打ち勝って野球をやり続けた筋金入りの選手たちなのだ。

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