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再び2軍へ…阪神・藤浪晋太郎が安定しない3つの要因をフォームから解説

2021 9/15 06:00中村タカシ
阪神の藤浪晋太郎,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

今季3度目の2軍降格

阪神の藤浪晋太郎が9月10日、出場選手登録を抹消され、今季3度目の2軍降格となった。9日のヤクルト戦(甲子園)で5回から2番手として登板し、1イニング目は無失点に抑えたが、2イニング目の6回に3四球を与え、自ら満塁のピンチを招いて降板。後を継いだ岩貞祐太がヤクルトの5番・オスナにタイムリーヒットを許し、藤浪は1.1回無安打ながらも2失点となった。

ここ3試合の投手成績を見ると、藤浪は短いイニングでの奪三振数が目立つ一方、四球が多いこともわかる。

阪神・藤浪晋太郎の後半戦一軍成績


8月19日のDeNA戦では先発したものの、5回途中までで3つの四球を与え、4失点と安定感に欠けている。球数の多さからコントロールに苦しんでいるのも伝わる。

藤浪が失点するパターンの多くは自滅だ。突如、四球を連発し、ピンチを招いてタイムリーを打たれるか押し出しとなるパターン。1イニング限定であればピシャリと抑えるが、2イニング目以降は崩れやすいため中継ぎでの起用も難しい。

不安定な投球の原因としてイップス(緊張や不安から起こる運動障害)との声も多いが、投球フォームにおいても修正点が見受けられる。

3つの修正点

藤浪の投球フォームにおいて3つの修正点がある。

1つめは重心が高い点。コントロールが安定している時の藤浪は、体重移動からリリースまで頭の高さを変えずに投げられている。だが、乱調時は体重移動時の重心が高くなり、頭の位置も上がるため目線がブレてしまう。目線がブレればリリースもブレるため、コントロールがつかなくなるのだ。

重心の高さを固定させて体重移動することで、目線のブレを改善できる。

2つめは体の開き。体の開きが早いことでリリースも早くなり、ボールが抜けやすくなる。右打者へ死球が多いのは、体の開きが早いのも原因の一つである。

良い時は体の開きが抑えられているが、乱調時は体がの開きによるリリースの遅れを補うため手投げになる。手投げになるとコントロールが定まらず、ボールを引っかけたり抜けてしまうのだ。リリースギリギリまで体が開かないよう、上体の力を抜くことも必要である。

3つめは骨盤の傾き。乱調時は体重移動時に骨盤が後傾していることが多い。右膝が折れて右足のつま先より前に出ることで、骨盤が後傾してしまい体が開きやすくなるのだ。モーションに入ってから体重移動に入る際、右膝がつま先より前に出ないよう意識することで改善が期待できる。

球界トップクラスのポテンシャル

藤浪は身長197cmの恵まれた体格から最速162km/hのストレートとキレのいい変化球を持つ。調子が良い時は誰も手がつけられない。

最近は1軍と2軍を行き来しているが、日本を代表する投手になれるポテンシャルは十分。さらに藤浪が持つスター性は、他の選手が真似しようと思ってできるものではない。

マウンドで躍動する姿はファンを魅了し、球場全体の雰囲気を変える。このまま埋もれてしまうのは、あまりにももったいない。2軍で修正点を克服し、再び1軍での活躍を期待したい。

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