満塁プロ1号含む2発6打点
11日の日本ハム戦で17失点の大敗を喫したソフトバンク。日本シリーズ4連覇中ながら今季は勝ち切れない状況が続くが、救世主になり得るスラッガーがいる。プロ4年目の22歳、身長189センチ、体重119キロの怪力、リチャードだ。
一軍で3試合目の出場となった9月5日のオリックス戦(PayPayドーム)、4回1死満塁で打席に立つと増井浩俊から広いPayPayドームのレフトスタンドへ豪快な一発。プロ初本塁打が満塁アーチというド派手な仕事をやってのけた。
この日は7回にもソロを放ち、第1打席の犠飛と合わせて計6打点の大暴れ。工藤公康監督やパ・リーグ他球団に溢れんばかりのパワーを見せつけた。さらに11日には3号ソロを放っている。
昨季はウエスタン二冠王
アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれ、沖縄尚学高時代は通算25本塁打。2017年の育成3位でソフトバンク入りした。ちなみに実兄の砂川ジョセフは北中城高卒業後に渡米し、2018年のMLBドラフト会議でマリナーズから6巡目指名を受けている。
昨年2月に砂川リチャードから登録名をリチャードに変更。同3月に支配下登録され、昨季はウエスタン・リーグで12本塁打、47打点をマークして二冠王に輝いた。今季も12本塁打はウエスタントップ、49打点は同2位の好成績を残しており、9月2日に初めて一軍昇格を果たした。
以降はファーストやベテラン松田宣浩に代わってサードでスタメン出場している。持ち前のパワーは桁違いだけに、今後はウエスタンでも打率.226と低打率だった確実性をどこまで上げていけるかが課題だろう。
井口資仁、坂本勇人らも初本塁打が満塁アーチ
これまでプロ初本塁打が満塁弾だった選手はリチャードを含めて88人。ソフトバンクでは上林誠知や甲斐拓也らが記録している。
1983年に初打席で満塁本塁打を放ち、「満塁男」の異名を取った駒田徳広(巨人)はあまりにも有名だが、その後も首位打者に2度輝いた鈴木尚典(横浜)や現ロッテ監督の井口資仁(ダイエー)、坂本勇人(巨人)らもプロ初本塁打がグランドスラムだった。
リチャードも偉大なる先達のように大成できるか。今季の残り試合は優勝を争うチームにとってはもちろん、リチャードにとっても一戦一戦が重要だ。
長年サードのレギュラーを張ってきた松田宣浩も2019年は30本塁打を放ったが、昨季は打率.228、13本塁打、今季もここまで打率.233、12本塁打と衰えを感じさせる。38歳という年齢を考えても、リチャードには「ポスト松田」として独り立ちすることが期待される。
今シーズンも残りわずかとなり、優勝争いはいよいよ佳境を迎える。逆転優勝に向け、類まれなパワーを誇る22歳がミラクルを呼ぶか。さらにその先、打線の中軸を担うようなスラッガーに育つか。今後のリチャードに要注目だ。
※成績は9月11日現在
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