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阪神・佐藤輝明のスランプを示す打球方向データ、復活は可能か?

2021 9/2 06:00SPAIA編集部
阪神・佐藤輝明,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

再開後は好調も8月22日から26打席連続無安打

開幕から話題をさらってきた阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明がスランプにあえいでいる。8月22日の中日戦第1打席から代打で登場した31日の中日戦まで、26打席連続ノーヒット。22打数13三振3四球1犠飛と惨憺たる成績だ。

東京五輪の中断明けとなった8月13日以降は調子が良かった。再開後6試合で計25打数11安打の打率.440、3本塁打7打点と上々の再スタート。しかし、8月20日の中日戦から急激に成績が下降している。

田淵幸一の持つ22本塁打の球団新人記録を更新する23本塁打をマークしている怪物ルーキーも、野球人生初めての長いシーズンで疲れはあるだろう。他球団の研究が進んだ可能性も十分ある。矢野燿大監督は29日の広島戦、31日の中日戦とスタメンを外して代打で起用したが、それでも復調のきっかけはつかめていない。

再開直後に多かったライト、右中間への打球

気になるデータがある。打球方向を5分割したSPAIAのデータでは開幕から五輪中断前の7月14日までで、最も多かったのは右中間の27%。次いでライト方向の24%、センターの21%、左中間の17%、レフト方向の12%だった。

佐藤輝明の前半戦打球方向


ところが再開後の8月13日から19日まではライト方向が35%で最多、次いで右中間が26%、センターは13%、左中間が17%、レフト方向が9%だった。ライトから右中間への打球が中断前の計51%から61%に増えたのだ。

佐藤輝明の再開直後の打球方向


しかし、調子を落とした8月20日から31日までは、センターが40%で最多。ライト方向と右中間が各20%、左中間が13%、レフト方向が7%と変化している。

佐藤輝明の8月20日以降の打球方向


成績のよかったリーグ再開直後に引っ張った打球が多かったため、力みにつながり調子を落としたのか。それとも、調子が落ちたから引っ張れなくなかったのか。

元々はレフト方向にも長打が打てるのが強みだったが、再開直後に極端に引っ張って結果が出たことがマイナスに作用した可能性もある。いずれにせよ、今の佐藤が本来の姿でないことは確かだ。

小野寺暖をスタメン起用も今季初の4連敗

昨季28本塁打の大山悠輔がここまで打率.237、14本塁打と波に乗り切れないため、今季前半戦は佐藤がポイントゲッターの一人として大きな役割を果たしてきた。サンズやマルテとともに大山に代わって4番を務めたこともある。

143三振は両リーグを通じてワースト1位だが、それに目を瞑ってでも期待したくなる存在感があった。

しかし、佐藤のスランプとともにチーム成績も降下。8月31日の中日戦では10勝をマークしている青柳晃洋でも勝てず、今季初の4連敗を喫した。

逆転優勝には佐藤に代わる救世主の出現が待たれるが、そう簡単にはいかないのが勝負の世界。8月29日にはウエスタン・リーグトップの打率.319をマークしている小野寺暖を一軍昇格させ、2試合連続ライトでスタメン起用しているものの、佐藤の代役は荷が重いだろう。

優勝争いが佳境に入るまでに佐藤が復活するのを期待するしかないのだろうか。ここまでセ・リーグを引っ張ってきた阪神が今季最大のピンチに立たされている。

※成績は8月31日現在

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