中田翔の暴力行為などプレー以外でお騒がせの日本ハム
ここに来て日本ハムの話題が増えてきた。チームは混戦のパ・リーグの中で唯一、開幕直後から最下位を独走。後半戦が始まっても優勝争いとは無縁の「蚊帳の外状態」だ。
そんなチーム状況を反映するかのように、主砲・中田翔の暴力行為が発覚。球団は出場停止処分を科し、栗山英樹監督は中田の退団の可能性を示唆した。
また球団公式ツイッターに投稿された動画で、試合前に円陣を組んだ選手が万波中正に発した言葉が問題視されるなど、プレー以外の面で騒がせている。
北海道に移転後は地元に根付き、2006、2007、2009、2012、2016年とリーグ優勝5回。パ・リーグで存在感を示してきた人気球団の現状は、ファンならずとも寂しいだろう。
二軍で2勝も往年の球威ない斎藤佑樹
就任10年目で今季限りの退任が噂される栗山監督とともに、気になる存在が斎藤佑樹だ。
早稲田実のエースとして駒大苫小牧・田中将大との延長15回引き分け再試合を制して夏の甲子園で優勝し、早稲田大では東京六大学通算31勝。一挙手一投足が注目されるスター選手として、鳴り物入りでプロ入りしてから11年目の今季は、昨季に続いて1試合も一軍登板がない。
引退報道もあった昨オフ、一軍最低保証を下回る推定年俸1250万円で契約を更改した。痛めていた右肘は手術ではなく保存療法を選択し、今春キャンプ初日から200球を投げ込むなど今季にかける意気込みを見せた。
後がない今シーズンは、イースタン・リーグで5試合に登板し、2勝0敗、防御率5.14。2勝を挙げているものの、7月30日のヤクルト戦は1回無失点、8月5日の西武戦は2回2安打1失点と中継ぎで記録した白星だ。
往年のスピードや球威は望むべくもない。それでも栄光と挫折を嫌というほど味わってきた右腕がケガや衰えに抗いながら腕を振る姿は、物語のフィナーレが近付いていることを感じさせる。
新庄剛志、森本稀哲らがつけた背番号「1」
入団当時18だった背番号は2017年から「1」になった。北海道移転後、新庄剛志、森本稀哲、陽岱鋼と球団を代表するスター選手が背負ってきた番号だ。
斎藤は「1」をつけてから1勝しか挙げていない。2017年5月31日のDeNA戦(札幌ドーム)、5回1失点でプロ通算15勝目となった試合だ。
日本ハムは2023年に北広島市内に開業予定の新本拠地に移転を予定している。仮に今オフで栗山監督が退任し、中田が去り、斎藤が引退すれば、チームの雰囲気は一新されるだろう。
それまでに斎藤が札幌ドームのマウンドに立つことはあるだろうか。高校時代から劇的なドラマの主人公を演じてきた背番号1のクライマックスに目を凝らしたい。
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