柳裕也は防御率、奪三振ともリーグトップ
交流戦7勝3敗2分けでDeNAと並んで首位の中日は、8日から7勝4敗1分けで3位の楽天と敵地・楽天生命パークで3連戦に臨む。中日の初戦先発は柳裕也。今季は10試合に登板して5勝1敗で、防御率(1.41)、奪三振(81個)ともにリーグトップを走っている。
平均142.2キロのストレートのほかにカットボール、チェンジアップ、スライダー、カーブ、シンカー、シュートと多彩な変化球を操る右腕。ストライクゾーンを9分割したSPAIAゾーン別データでは、右打者の実に41.4%が外角低めに集まっており、被打率.190、25奪三振と生命線になっていることが分かる。左打者に対しても外角低めは被打率.030、内角低めは同.091と文句のない成績だ。
前回6月1日のロッテ戦は1安打完封。明治大からドラフト1位で入団して5年目の今季は安定感を増しており、2019年にマークした自己最多の11勝を上回る可能性も十分だ。
チームは交流戦で成績を伸ばしており、勝率5割まであと2つ。昨季、沢村賞に輝いた大野雄大が今季はいまひとつだけに、初戦は必勝態勢で臨みたい。
岸孝之は前回二軍戦で打ち込まれる
一方、楽天の先発は岸孝之。今季は9試合に登板して2勝4敗、防御率4.47と波に乗れていない。
5月25日の巨人戦で4回5失点で負け投手となり、登録を抹消。6月1日に二軍戦に登板したものの5.2回11安打7失点と打ち込まれた。中6日で臨む8日のマウンドも一抹の不安は拭えない。
通算134勝を挙げている右腕も36歳。西武からFAで加入して昨季で4年契約が終わり、推定年俸は3億円から2億5000万円にダウンした。昨年12月の契約更改後の会見では「天国の星野さんに怒られてしまう」と楽天入りを迷う岸の背中を押してくれた故星野仙一氏(当時球団副会長)の名前を出して今季への意気込みを示した。
チームは5連勝中でパ・リーグ30勝一番乗りも果たした。15年目のベテランが勢いを止める訳にはいかない。
その他の試合の予告先発は以下の通り。
日本ハム・上沢直之-阪神・西勇輝(札幌ドーム)
西武・松本航-DeNAマイケル・ピープルズ(メットライフドーム)
オリックス・山岡泰輔-巨人・今村信貴(京セラドーム大阪)
ロッテ・二木康太-ヤクルト・奥川恭伸(ZOZOマリンスタジアム)
ソフトバンク・武田翔太-広島・大瀬良大地(PayPayドーム)
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