現役最年長は44歳の中日・福留孝介
阪神・佐藤輝明や楽天・早川隆久らルーキーが当たり年の2021年。オリックスでは19歳の宮城大弥や紅林弘太郎が台頭するなど、若手選手が進境著しい。
一方であまり目立たないのがベテランだ。2021年度(2022年4月1日まで)に40歳以上の現役日本人選手は12人。老いに抗いながら汗を流す「不惑」のベテランの現状を紹介したい。
球界最年長は中日の福留孝介。PL学園高時代に甲子園を沸かせ、ドラフトで7球団競合の末に引き当てた近鉄入りを拒否し、日本生命から中日入りした強打者も、すでに44歳となった。
8年在籍した阪神から古巣に復帰した今季は開幕一軍入りし、主に代打で起用されている。ここまで48打数7安打で打率.146の成績は不本意だろう。NPB通算1916安打で2000安打まで84本、日米通算2414安打で2500安打まで86本に迫っているだけに、節目の記録に届かせたい。
オリックス移籍の能見篤史は健在、ヤクルト石川雅規は二軍調整中
投手最年長は中日・山井大介。河合楽器から入団して20年目の今季は二軍暮らしが続いている。2007年の日本シリーズ第5戦で8回まで完全試合ながら9回は岩瀬仁紀に交代して議論を呼び、2013年6月28日のDeNA戦ではノーヒットノーランを達成するなど、ハマった時は圧巻の投球を見せたが、最後にもうひと花咲かせるか。
42歳の能見篤史はまだまだ元気だ。2004年ドラフトの自由獲得枠で大阪ガスから入団して16年間在籍した阪神を離れ、今季から兼任コーチとしてオリックスに移籍。15試合に登板して2セーブ4ホールドを挙げている。
身長167センチの「小さな大投手」ヤクルト・石川雅規は41歳。青山学院大から入団して20年目の今季は4月16日の阪神戦に登板したが負け投手となり、翌17日に登録抹消されている。プロ通算173勝左腕の復活が期待される。
復活待たれる松坂大輔、和田毅は今季3勝
球界を代表する右腕の西武・松坂大輔も9月の誕生日で41歳になる。輝かしい実績を残し、日米通算170勝を挙げてきたが、昨年、古巣・西武に復帰してから一度も登板していない。世代を代表する右腕が再びマウンドに立つ日が待たれる。
現役は2人となった「松坂世代」の残る1人、ソフトバンク・和田毅は年齢を感じさせない投球を見せている。今季は8試合に登板して3勝2敗。絶妙のコントロールと球のキレで、まだまだチームに貢献しそうだ。
40歳の日本ハム・鶴岡慎也はコーチ兼任ながら今季も9試合に出場。持ち前のインサイドワークだけでなく、15打数5安打、打率.333とバットでも投手陣を引っ張っている。
NTT西日本から入団して16年目の中日・藤井淳志も40歳だ。俊足強肩のスイッチヒッターとして活躍してきたが、昨季に続いて今季も今のところ一軍出場はない。
鳥谷敬は甲子園で雄姿、青木宣親は日米通算2500安打
阪神からロッテに移籍して2年目の鳥谷敬も元気な姿を見せている。今季は開幕スタメンを果たすなど25試合に出場。5月25日の古巣・阪神戦では代打でタイムリーを放ち、甲子園を沸かせた。
高い身体能力で「超人」と呼ばれた糸井嘉男も39歳となり、出番が減っている。昨季は12年ぶりに出場試合が100試合を割り(86試合)、打率.268、2本塁打、28打点と不本意な成績に終わった。通算300盗塁も王手をかけたまま達成していない。近畿大の後輩で、開幕から大きな話題になっているルーキー佐藤輝明に先輩の意地を見せたい。
ソフトバンクひと筋15年目の捕手・髙谷裕亮も11月で40歳になる。今季は開幕一軍入りして5試合に出場したものの、4月5日に登録抹消された。
早稲田大で鳥谷とチームメートだったヤクルト青木宣親は来年1月で40歳。今季はここまで32試合に出場し、5月26日の日本ハム戦で日米通算2500安打をマークするなど健在ぶりを示している。NPBで4000打数以上の打者では歴代1位の通算打率.323をマークしており、引退までに歴代2位のレロン・リーの.320を上回るか注目される。
※成績は2021年5月28日現在
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