交流戦通算では181勝164敗9分けと勝ち越しも
2021年のセ・パ交流戦が5月25日から始まり、各カード3試合ずつ計18試合が組まれている。
巨人・原辰徳監督にとって、交流戦は単なるシーズン中の18試合ではないだろう。日本シリーズでソフトバンクに屈辱の2年連続スイープを喫し、セ・リーグのDH制導入を提言したのも、パ・リーグとの実力差を肌で感じているからに他ならない。今年こそ日本一を目指す昨年のセ・リーグ覇者として、2年ぶりに開催される交流戦はその前哨戦的な位置付けと見ることもできる。
2005年から2019年までの15年間でセ・リーグが交流戦で勝ち越したのは2009年の一度きり。パ・リーグが通算1098勝966敗60分けと大きく勝ち越しており、「パ高セ低」と言われて久しい。
ただ、巨人に限れば、181勝164敗9分けと勝ち越しているのだ。2012年と2014年に交流戦で優勝しており、「球界の盟主」の面目はかろうじて保っている。
ただ、カード別に見ると、ソフトバンク戦が23勝36敗の勝率.390と大きく負け越し。ロッテ戦も23勝33敗3分けで勝率.411と負け越しているが、2005年に1勝5敗、翌2006年に6連敗を喫した際の借金がそのまま残っているだけで、その後は五分で戦っている。
さらに36勝23敗で勝率.610の楽天戦を始め、西武、オリックス、日本ハムの計4球団に勝ち越していることからしても、いかにソフトバンクが巨人にとって天敵であるか分かるだろう。
優勝した2014年でさえソフトバンク戦は負け越し
前回2019年はソフトバンクとの3連戦初戦で千賀滉大を攻略できず3-8で敗れ、2戦目は山口俊の力投で勝ったものの、3戦目は菅野智之が2回途中降板して1-5で敗れ、1勝2敗だった。
2017、2018年は2勝1敗と勝ち越したものの、2015、2016年には2年連続で3タテを喫している。さらに交流戦16勝8敗で優勝し、シーズンでもリーグ制覇した2014年でさえ、ソフトバンクには1勝3敗と負け越しているのだ。
首位・阪神を追いかける立場として交流戦で勝ち越すことは至上命題。そのためにも打倒ソフトバンクは、原監督のプライドにかけても果たさなければならないだろう。
2019年は坂本勇人が千賀滉大に4三振
千賀が先発として定着した2016年以降、交流戦では2試合で対戦し、いずれも白星を献上している。2019年6月21日の対戦では6回で11三振を喫しており、坂本勇人は4打数4三振、岡本和真も3打数無安打だった。さらに2019年と2020年の日本シリーズ第1戦でも敗れており、苦手意識が染みついているかも知れない。
その千賀だけでなく、クローザーの森唯斗もケガで離脱しており、今年のソフトバンクは例年ほどのずば抜けた強さを発揮できない状況。巨人としては、今年は負ける訳にはいかないだろう。
今年のソフトバンク戦は交流戦2カード目の5月28日からPayPayドームで3連戦が組まれている。天敵を破って弾みをつけられるか注目だ。
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