「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

ロッテ・安田尚憲が目指す球団26年ぶり打点王、千葉移転後初の生え抜き100打点

2021 5/9 06:00勝田聡
千葉ロッテマリーンズの安田尚憲ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

打点王視界に捉える118打点ペース

ロッテの安田尚憲が開幕からハイペースで打点を積み重ねている。5月8日終了時点で29打点はパ・リーグトップ。現在ロッテは35試合を消化しており、143試合に換算すると118打点ペースとなる。安田のキャリアハイは昨シーズンの54打点。打点は前を打つ打者の出塁に左右されるとはいえ、驚くべき成長だ。

楽天が参入した2005年以降でパ・リーグの打点王が118打点を超えたのは、2005年の松中信彦(ソフトバンク/121打点)、2008年のタフィ・ローズ(オリックス/118打点)、2009年と2015年と2019年の中村剛也(西武/122打点、124打点、123打点)、2018年の浅村栄斗(西武/127打点)の4人でのべ6度。安田が相当なハイペースで打点を積み上げていることがわかるだろう。

ちなみに1シーズンの最多打点は、1950年に小鶴誠(松竹)が記録した161打点。1950年はセ・パ2リーグ分立した年で、70年以上も破られていないアンタッチャブルレコードのひとつでもある。パ・リーグ記録は、1985年に安田の大先輩にあたる落合博満(ロッテ)が記録した146打点が最多となっている。

【シーズン打点ランキング】
1位(161)小鶴誠(松竹/1950年)
2位(153)ローズ(横浜/1999年)
3位(147)今岡誠(阪神/2005年)
4位(146)藤村富美男(阪神/1950年)
4位(146)落合博満(ロッテ/1985年)※パ・リーグ記録

1995年の初芝清が球団最後の打点王

ロッテの球団記録は前述した通り落合の146打点だが、2位は1980年のレオンと1986年に落合が記録した116打点。安田は現状ペースなら球団歴代2位に浮上する可能性も十分だ。

さらにロッテのシーズン打点ランキングを見ると、100打点の大台を超えたのは16回(11人)あるが、生え抜きの日本人選手では落合の1986年が最後。現在の本拠地・ZOZOマリンスタジアム(当時は千葉マリンスタジアム)に移転した1992年以降、日本人選手で100打点に到達したのは、現在監督を務める井口資仁が記録した2010年のみとなっている。

さらに打点王のタイトルを振り返ってみると、ロッテでは1995年の初芝清(80打点)を最後に25年間不在。これは12球団で最も長いブランクだ。多くの助っ人外国人選手も打点王は獲得できなかった。

2000年以降、本塁打が出にくい甲子園球場やナゴヤドームを本拠地としている阪神や中日からは複数の打点王獲得者が出ているにも関わらず、ロッテから一人も出ていないのは少し意外かもしれない。

安田には千葉移転後では生え抜き日本人選手初となる「100打点」の大台到達、さらには球団26年ぶりの打点王獲得に期待がかかる。同学年の出世頭・村上宗隆(ヤクルト)も打点王のタイトルは獲得していない。安田の今後に注目だ。

【ロッテのシーズン打点ランキング】
1位(146)落合博満(1985年)※パ・リーグ記録
2位(116)レオン(1980年)
2位(116)落合博満(1986年)
4位(112)山内和弘(1961年)
5位(109)リー(1977年)
6位(105)別当薫(1950年)
6位(105)ディアズ(1989年)
8位(103)山内和弘(1960年)
8位(103)アルトマン(1971年)
8位(103)井口資仁(2010年)※千葉移転後最多
11位(102)ボーリック(2000年)
12位(101)ディアズ(1990年)
12位(101)ボーリック(2001年)
14位(100)アルトマン(1968年)
14位(100)フェルナンデス(2003年)
14位(100)ベニー(2004年)

【関連記事】
ロッテ安田尚憲が真の4番へ脱皮するための最重要課題とは?
ロッテの2021「年男」 平沢大河と福田光輝、壁を破りレギュラー争いに食い込め
プロ野球セ・パ交流戦の通算成績、年度別優勝チームとMVP、パの貯金132