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ロッテ安田尚憲が真の4番へ脱皮するための最重要課題とは?

2021 2/8 11:00浜田哲男
千葉ロッテマリーンズの安田尚憲ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

CS初戦で千賀滉大から本塁打

昨季は自身初の規定打席到達を果たしたロッテの安田尚憲。4番として多くの試合に起用され、苦しみながらも優勝争いやクライマックスシリーズ(CS)という痺れる試合を経験した。

113試合に出場し、打率.221、6本塁打、54打点、OPS.647と成績は振るわなかったが、ソフトバンクとのCSでは、初戦に千賀滉大から先制本塁打、2戦目に東浜巨から先制適時打を放つなど躍動し、今後のさらなる成長を予感させた。

2戦目では猛打賞をマークした安田だが、2回と4回に好機でまわってきた打席ではともに三振。試合後は「あそこで打てていれば、流れが変わった」と悔しさを露にした。

昨季は言わば“与えられた4番”だったが、今季は自らの力でつかみ取りたいところ。そのために、どのような課題があるかを探ってみる。

対直球の打率.214…課題は直球への対応

150kmをコンスタントに投げる投手が多い中、直球に振り負けていては打席で優位に立てない。昨季の安田の対直球の打率は.214と低く、対直球の本塁打にいたっては0本。まずは、直球を弾き返す力強さやタイミングをものにしたい。シーズンを通じて直球をなかなかとらえることができず、当たっても三塁側に打ち上げる力のないファウルを頻繁に目にした。

対スライダーの打率は.102、対フォークの打率は.171とさらに苦しい。フォークは経験のある好打者でもあまり高打率を残せない球種だが、スライダーはせめて2割台には乗せたい。直球をとらえきれずカウントが不利になりがちなところも、これらの球種への対応を難しくしてしまっている要因だろう。

その一方、対ツーシームの打率は.321、対カットボールの打率は.348と動く球には強さを見せた。対カーブは.353、対ナックルカーブは.286、対パワーカーブは.333とカーブ系も得意とするなど、明るい要素も随所に見られる。

しかし、どの投手も最も多くを占める球種は直球。まずは直球をとらえる確率を高めることが喫緊の課題だ。

打球方向の推移に注目

ゾーン別の打率を見ると、真ん中は.417、真ん中低めは.360とハイアベレージをマークしているものの、内角低めは.043、外角低めは.092とほとんど打てていない。特に左投手からは外角低めを徹底して攻められており、空振りも多い。対左投手の打率は、対右投手の打率.243をさらに下回る.177と苦手としており、同コースへの対応は大きな課題だ。

一方、高めの直球を空振りさせられる場面も多かったが、真ん中高めは.171、外角高めは.178と高めも打ちあぐねている(内角高めは.250)。これらのコースは直球で攻められることが多く、前述したように直球への苦手意識を払拭しなければならない。

また、打球方向は左中間が25%と最も多く、次いで中堅と右翼が21%、右中間が19%、左翼が15%と続く。左中間への打球が多いのは安田の特長でもあり良い部分ではあるが、強い直球に振り負けないスイングが増えれば、右翼や右中間への打球も必然的に増えていくはずだ。今季の安田の打球方向の推移にも注目していきたい。

松中信彦臨時コーチから技術と心得伝授

井口資仁監督は、ダイエー(現ソフトバンク)時代にともにチームを牽引した松中信彦を臨時コーチとして招聘した。今キャンプでは打撃陣の底上げを図る狙いがあるが、中でも期待するのが長距離砲としての一本立ちを目指す安田の育成だろう。

平成唯一の三冠王獲得をはじめとした松中の輝かしい実績と卓越された技術はもちろん、数々の修羅場をくぐり抜けてきた4番としての心得の伝授は、安田にとってかけがえのない財産となるはずだ。

2年目に2軍の4番で結果を残し、3年目の昨季は1軍の多くの試合で4番を務め、優勝争いとCSを経験。課題はこれまで以上に明確になった。今季は、パ・リーグの並み居る好投手の直球を力強く弾き返す姿を数多く見せてほしい。

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