広島・栗林良吏は早くも6セーブ、いまだ無失点
今季のセ・リーグは各球団ルーキーたちの活躍が目覚ましい。
その中で一際目立っているのが、社会人No.1右腕としてトヨタ自動車から入団した広島・栗林良吏。ここまでセ・リーグ単独トップとなる6セーブを挙げ、登板9試合で防御率は脅威の0.00。ルーキーらしからぬ安定感と存在感を示している。
年間40セーブを超えるペースでセーブを積み上げる広島の新守護神が、今季の新人王争いの中心選手の一人になるのは間違いないだろう。
ルーキーで守護神を任され新人王を獲得した投手として記憶に新しいのがDeNAの山﨑康晃。ルーキーイヤーの山﨑の成績と比較すると、栗林が新人王にまっしぐらであることがうかがえる。
仮に栗林が40セーブを挙げ、現在の防御率から大きく悪化することがなければ当確と言われてもおかしくないだろう。
阪神・佐藤輝明はリーグ3位の5本塁打
栗林以上にインパクトが強いのが、近畿大から阪神に加入した佐藤輝明だ。6本塁打でオープン戦本塁打王に輝き、シーズン開幕後もここまでリーグ3位となる5本塁打。年間40本に迫るペースで本塁打を量産している。
同じ阪神で新人王に輝き、「稀代のホームランアーチスト」と呼ばれた田淵幸一のルーキーイヤーの成績と比較してみると、2選手の傾向がよく似ていることが分かる。
あくまで仮定の話だが、佐藤が今のペースで打ち続ければ、本塁打、打点とも田淵の新人時代を上回る。ただ、三振数も田淵以上にハイペースで喫しているため、矢野燿大監督がどこまで我慢できるかにもかかっているだろう。
投手と野手で評価が難しくなるが、Aクラスのチームを牽引するドラ1ルーキーたちの争いは今後も白熱しそうだ。
強打のDeNAドラ2・牧秀悟は打点リーグトップ
熱い新人王争いを繰り広げているのはドラ1ルーキーだけではない。
強打の内野手として中央大からドラフト2位でDeNAに加入した牧秀悟の活躍も圧巻だ。現在、打撃の主要3部門すべてでランキング上位を争い、打率はリーグ3位の.333、本塁打はリーグ2位の6本、打点はリーグ1位となる18を記録している。
チームは6位と低迷し元気がない中、牧の活躍はDeNAの希望の星だろう。その打撃力でAクラス浮上のきっかけを手繰り寄せ、新人王に輝くことができるのか、更なる活躍に期待が高まる。
スター性抜群の中日・根尾昂も躍進
プロ入り前からポテンシャルの高さが注目され、スター性も抜群と話題になった中日・根尾昂も楽しみな存在だ。3年目の今季は本職の遊撃から外野へと主戦場を変えたが、持ち前の強肩を遺憾なく発揮し、ファンを沸かせている。
打率こそ.143と物足りないが、まだシーズンは始まったばかりだ。4月17日の広島戦では試合を決める2点適時打を放つなど、随所に勝負強さを発揮し、得点力不足のチームに勢いを呼び込んだ。
スタメン出場も増えた今季、レギュラーと新人王の2つを手中に収めることができるのか、将来のスターの快進撃に期待したい。
入江大生、平内龍太ら大穴ドラ1ルーキーも
ここまでは注目を集める成績を残していないが、長いシーズンの中で新人王争いに加わることが予想されるルーキーもいる。
明治大からドラフト1位で入団したDeNA・入江大生は3試合に先発し、防御率6.91、0勝3敗と成績こそ振るわないが、枯渇するDeNAの先発ローテーションを支えている。最速150km/hを超える力強いストレートと切れ味鋭い変化球は可能性を感じさせる。
亜細亜大出身のドラ1右腕、巨人・平内龍太は、まだ1軍登板はないものの3月30日のDeNAとの2軍戦で2回から2番手で登板し、5回2/3を3安打無失点。最速152km/hを記録し、5奪三振の快投で1軍登板への準備は万端だ。
有力候補たちがこのまま独走するのか、新勢力が追い上げを見せてくるのか、今後のセ・リーグ新人王争いが楽しみだ。
※成績は2021年4月19日現在
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