今春キャンプで川相昌弘臨時コーチ招聘
ドラフト1位・佐藤輝明(近畿大)がオープン戦で早くも4本塁打を放ち、5勝2敗1分けでソフトバンクと並んで首位に立つなど、今シーズンへの期待が高まる阪神。元々強力な投手陣を擁しており、打線も強化できたとなれば、残す課題は守備力だろう。
失策数は2018年が89、2019年が102、2020年が85で3年連続リーグワースト。いくら投手が好投してもエラーで足を引っ張られて接戦を落としていては、長いシーズンを勝ち切ることはできない。
今春キャンプではライバル球団・巨人で活躍した川相昌弘臨時コーチを招聘し、守備力向上に取り組んだ。まだ多くのポジションで不動のレギュラーが確立されていない過渡期の阪神では、打つだけでなく守れることもレギュラー奪取への大きな要素だ。
オープン戦8試合で4失策
オープン戦は8試合を消化して、北條史也1、糸原健斗1、佐藤輝明1、マルテ1の計4失策。143試合換算で72失策となり、良化の兆しが見られる。昨季セ・リーグ最少失策だった巨人が120試合で43失策だったから、まだまだ発展途上とはいえ、キャンプの成果がオープン戦で出ていることは明るい材料だろう。
実は阪神の守備は年々改善傾向が見られている。
DER(Defensive Efficiency Ratio)は(打者数-被安打-奪三振-与四死球-失策出塁)/(打者数-被本塁打-奪三振-与四死球)で計算される指標で、本塁打を除くインフィールドに飛んだ打球をアウトにした割合を示す。
当然、数値が高いほど優秀でほとんどの球団が60%台後半になり、守備力の高い球団だと70%を超えることもある。過去3年間のセ・リーグのDERは以下の通り(NPBのホームページでは出塁失策か進塁失策か判断出来ないため全て出塁失策と仮定して計算、そのため実際の数値より低くなる)。
2018年が67%、2019年が67.4%で下位に低迷していたDERが、昨季は69%でリーグ2位。守備センスの光る20歳・小幡竜平がブレイクの兆しを見せ、オフには巨人から金銭トレードで山本泰寛を獲得。ドラフト6位のショート・中野拓夢(三菱自動車岡崎)も評価が高い。センターを守る近本光司の守備範囲の広さは球界屈指だ。
復活を期す藤浪晋太郎が開幕投手に決まり、長年の課題だった守備でもアドバンテージを得られれば、2005年以来遠ざかる歓喜の瞬間が訪れても不思議ではない。
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