粘り強いバッティング
上本博紀はアマチュア時代に華々しい実績を残して2008年のドラフトで指名を受けると、2年目に一軍デビュー。14年には自己最多の131試合に出場して20盗塁を決めるなど、9年ぶりに日本シリーズへ進出したチームに貢献した。17年には前年の故障から復帰し、自身3度目となる規定打席到達を達成。キャリアハイとなる打率.284を残した。
しかし、左膝前十字靱帯(じんたい)損傷の大ケガを負った18年以降は若手の台頭もあって出番を減らし、20年に引退を決意。類いまれな野球センスを誇る男が、12年間の現役生活に別れを告げた。
1打席あたりで相手投手に投げさせた球数を表すP/PAを見ると、自身が現役を過ごした期間では阪神の選手でトップを記録。14年にはリーグ1位の4.42をマークした。ボールをよく見極め、粘り強いバッティングを見せる打者だった。