日米通算164セーブ187ホールドのベテラン右腕
MLBマリナーズからFAになっていた平野佳寿のオリックス復帰が決まった。背番号は渡米前につけていた「16」。オリックスは山本由伸ら進境著しい先発投手陣に比べ、リリーフ陣が固定できていなかっただけに大きな補強となりそうだ。
京都府出身の平野は鳥羽高から京都産業大を経て、2005年ドラフトの希望入団枠でオリックス入り。当初は先発だったが、2010年から中継ぎに転向し、2011年には72試合登板で43ホールドを挙げて最優秀中継ぎ投手に輝いた。
さらにクローザーに転向後は、2014年に40セーブで最多セーブのタイトル獲得。2017年オフにFA宣言してダイヤモンドバックス入りし、2020年からマリナーズでプレーしていた。
NPB通算48勝69敗156セーブ139ホールド、MLB通算9勝9敗8セーブ48ホールドの成績を残している。今年3月で37歳になるが、これまでの実績から当然オリックスでもリリーフとして期待される。
2020年はヒギンス19ホールド、山田修義18ホールド
今やパ・リーグを代表する右腕の一人となった山本由伸を始め、2019年に最高勝率に輝いた山岡泰輔、2017年ドラフト1位の左腕・田嶋大樹ら先発陣に比べると、最近はリリーフ陣を固定できていないオリックス。通算163セーブの増井浩俊は先発転向するなど絶対的守護神不在が続いている。
ただ、昨季はタイラー・ヒギンスが19ホールド、山田修義が18ホールド、ブランドン・ディクソンが16セーブを挙げるなど少しずつ形が見えつつあった。ディクソンは先発再転向が伝えられているが、他にも東海大相模時代に小笠原慎之介(中日)とともに全国制覇を果たし、昨季は35試合に登板した吉田凌や3年目左腕の富山凌雅、同じく3年目の漆原大晟、4年目のK-鈴木、24歳・鈴木優、22歳・榊原翼、台湾出身の張奕、再び支配下登録された黒木優太ら活きのいい若手は多い。
平野が最後にどっしりと座れば、その中から選りすぐった「勝利の方程式」を確立することも不可能ではないだろう。
馬原、佐藤、比嘉、平野らいた2014年は2位躍進
投手の分業制が確立された現代野球において中継ぎ、リリーフ陣の役割は重要だ。
長らく低迷の続くオリックスが2位に躍進した2014年は、馬原孝浩が32ホールド、佐藤達也が42ホールド、比嘉幹貴が20ホールド、平野佳寿が40セーブをマーク。16勝を挙げた金子千尋、12勝した西勇輝ら先発陣とリリーフ陣がガッチリかみ合っていた。
実績文句なしの平野の加入は「夢よ、再び」の期待を抱かせる。日本シリーズ4連覇のソフトバンク、田中将大の復帰で活気づく楽天が話題をさらっているが、オリックスも上位進出へ牙を研いでいる。
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