荻野貴司はリーグ屈指の三振しない打者
1月22日、吉田正尚(オリックス)が6年目の野手としては史上最高額となる2億8000万円(推定)で契約を更改した。自身初の首位打者を獲得した昨シーズンは、3年連続のベストナインにも選出。球界を代表する選手ともなれば、当然といったところだろうか。
その吉田の凄さのひとつに三振の少なさがある。昨シーズンはわずか29三振。K%(三振÷打席)は5.9%と12球団で単独トップ。宮﨑敏郎(DeNA)も吉田と同じ29三振だったが、打席数が多かったため6.3%となり、吉田に軍配が上がった。
これに続くのが、セ・リーグで2年連続となる最多安打のタイトルを獲得した大島洋平(9.7%)とビシエド(10.4%)の中日勢。大島は2014年シーズン以来6年ぶりに10%を切った。
このK%を200打席以上に対象を広げてランキングにしたのが下記の表となる。
規定打席から範囲を広げてもランキングの上位3人は変わらなかった。しかし、大島とビシエドの間に荻野貴司(ロッテ)が入ってくる。荻野は故障があり規定打席には到達しなかったものの、236打席で23三振と三振は少なくK%は9.7%となり10%を切っていた。
また荻野は2018年シーズンから3年連続で10%以下をキープしている。これは宮崎の5年連続に次ぐ数字である(いずれも200打席以上)。荻野はその俊足に目がいきがちだが、リーグでも屈指の三振をしないバッターだった。
菅野剛士がBB%で柳田悠岐をしのぐ
ロッテの外野陣を見ると、荻野だけではなくその他にも規定打席未達ながら優秀な指標を叩き出している選手がいる。菅野剛士だ。
昨シーズン自己最多の81試合に出場し、打率.260(223打数58安打)、2本塁打、20打点とまずまずの数字を残した。マーティン(46試合)に次ぐ28試合で3番を任されたことからも、井口資仁監督の期待の大きさがわかる。
BB%(四球÷打席)は16.4%となっており、200打席以上の打者では12球団で5位の数字だ。これはチームトップの数字であり、球界屈指の強打者である柳田悠岐(ソフトバンク)の16.3%をわずかに上回っている。また出塁率.389も200打席以上ではチームトップだった。
長打率ではオースティンがリーグトップ
規定打席に到達していない選手が、指標で上位に来ることはめずらしくない。昨シーズンは長打率でも規定打席に未到達のオースティン(DeNA)が2位に名を連ねている。
オースティンは長打率.605と、200打席以上の打者では柳田の(.623)についで12球団2位の数字を残した(セ・リーグではトップ)。故障が多く複数の離脱があったため、65試合の出場にとどまったものの20本塁打を放っており、長打率では村上宗隆(ヤクルト)や大山悠輔(阪神)を上回っていた。
新型コロナウイルスの影響もあり来日のめどは立っていないが、万全なら今年も期待できそうだ。
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