阪神・北川博敏コーチらと2年目オフにイベント参加
田中将大の楽天復帰に沸くのは東北だけではない。故郷の兵庫県伊丹市からも熱い視線が注がれている。
NPO法人「伊丹アスリートクラブ」は地元出身の阪神・北川博敏打撃コーチやJリーグ・ヴィッセル神戸などでGKとして活躍した石末龍治現アルビレックス新潟コーチらが参加し、様々な活動を行ってきた。
2008年12月13日に伊丹市内で行われたイベントには、北川のほか、ソフトバンクとオリックスで活躍した山崎勝己、日本ハムでプレーした尾崎匡哉とともに田中も参加。当時2年目のオフでまだ20歳になって間もなかったが、野球少年たちと触れ合い、トークショーでは大いにリップサービスした。
小学校時代に所属した「昆陽里タイガース」でバッテリー組み、この時はビデオメッセージを寄せた現巨人の坂本勇人が「今年の交流戦は4の2で僕が勝ったかなって感じだけど、来年はホームラン打ちます」と挑発。田中は「今度は僕が抑える番。抑えるか(死球を)当てるかどっちか」と返し、場内を盛り上げた。
また、伊丹スポーツセンター野球場のスコアボードが老朽化したため、北川、田中と同じく同市出身の現巨人・中島宏之が各100万円ずつを工事費として拠出し、電光掲示のスコアボードに新調されたこともあった。
昔は「空港の伊丹」、今は「マー君と坂本の伊丹」
田中は北海道の駒大苫小牧高に進み、仙台を本拠地とする楽天に入団したためあまり認知されていないが、野球選手としての礎を築いたのは伊丹での15年間だ。
小学校時代には捕手として、投手だった坂本とバッテリーを組み、中学時代は宝塚ボーイズで白球を追った。2013年に24連勝で日本一に輝いたのも、ヤンキースで通算78勝を挙げたのも、原点である伊丹から続く物語だ。
アスリートクラブ副理事長の池田智嘉氏は「昔は空港のある伊丹ですと言ってたけど、今はマー君と坂本選手の伊丹です」と笑う。田中は紛れもなく、伊丹市が生んだスターの一人なのだ。
イベントは軒並み中止…閉塞感打破の切り札
ただ、同クラブもやはりコロナ禍の影響を受けており、昨年から予定していたイベントは軒並み中止。東京五輪が予定通り開催されれば、伊丹出身のアスリートを応援するパブリックビューイングも行う予定だったが中止となった。
そんな閉塞感を打破する意味でも、田中の故郷凱旋が待望されるのだ。池田氏は「もう一度、田中選手とつながれば万々歳です」と切望する。北川も「また一緒に伊丹を盛り上げたいですね」とラブコールを送った。
田中が復帰した楽天には最速155キロ左腕の早川隆久(早稲田大)も入団し、早くも今季の優勝候補に挙げる声もある。東日本大震災から10年の節目の年に東北を盛り上げ、シーズンオフには伊丹も盛り上げることになるか。実現すれば、故郷の市民が諸手を挙げて歓迎することは間違いない。
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