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オリックス6位・阿部翔太「2代目おじさんルーキー」決意のプロ入り

阿部翔太ⒸSPAIA
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12人中唯一の社会人、妻子持ちの28歳

オリックスの新人選手入団会見が12月19日に大阪市内で開かれ、育成を含めドラフト指名された12人が出席した。

2020年オリックス新入団選手


将来性豊かな本格派右腕の1位・山下舜平大(福岡大大濠高)やスラッガー候補の2位・元謙太(中京高)、三拍子揃った3位・来田涼斗(明石商高)ら高校生が12人中7人を占める中、最年長で唯一、社会人からの入団となったのが6位・阿部翔太(日本生命)だ。

すでに28歳で、この日の会見には愛する夫人と3歳の一人娘も連れての出席。「年齢的にないと思っていたが、指名していただいて感謝している。根底には上(プロ)でやりたいという気持ちがあったので妻から“よかったね”と言われた。背中を押してくれて感謝の気持ちでいっぱいです」と胸中を明かした。

出身は大阪市大正区で、オリックスのホーム・京セラドーム大阪から徒歩10分の距離に実家がある。酒田南高(山形)―成美大(現福知山公立大・京都)を経て日本生命に入社して6年。「いろんな所に行って、いろんな経験をして、おっさんになって大正区に帰ってきました」と大阪人らしいユーモアを交えながら堂々と受け答えする様子は、人生経験を積んだ社会人選手ならではだ。

下山真二スカウトも「元おじさんルーキー」

阿部の担当は下山真二スカウト。日本生命の先輩にあたり、自身も27歳だった2002年ドラフト8位で近鉄入りして「おじさんルーキー」と呼ばれた。

「プロでは同じレベルなら若い方を使うので、すぐに結果を求められる。周りに合わせてたらいけない」

下山スカウトは1年目のオープン戦で3本塁打とアピールに成功し開幕一軍をつかんだものの、出場機会のないまま10試合で二軍落ち。「年齢の壁」を痛感した。それでも腐ることなく努力を続け、9年間のプロ生活で通算556試合に出場し、45本塁打、166打点をマークした。

「彼が活躍することで、プロをあきらめた選手が“俺もやれる”と思うし、アマチュア界のレベルアップにつながる。それにオリックスは若い投手が多いんで、若手のまとめ役として教育してほしい。日生のエースを張ってるんで、プロでも結果は出せるはず」

スカウトとして、おじさんルーキーの先輩として、阿部にかける期待の大きさを示した。

日本生命の先輩・井上晴哉と「真っ向勝負したい」

日本生命出身では、現役最年長の福留孝介(中日)や大島洋平(中日)、井上晴哉(ロッテ)ら第一線で活躍している選手も多く、阿部は先輩の活躍を見るたびに「華があるし、あの舞台でやりたい」と思ったという。

28歳でようやく叶ったプロ入りの夢。社会人での6年間が無駄ではなかったことを証明する旅がもうすぐ始まる。

対戦したい打者を問われると井上晴哉の名前を挙げ、「真っ向勝負したい」と宣言。「年齢がいっているのをプラスにしたい。ピンチで任せられるような、“困った時には阿部がおる”と思ってもらえるような投手になりたい」と力強く言い切った。

「おじさんルーキー」にとっては、ルーキーイヤーがいきなり勝負の年。指名してくれたオリックスのため、愛する家族のために、阿部は背水の陣でプロの舞台に立つ。

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