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FAで巨人へ移籍した梶谷隆幸の人的補償プロテクトリストを予想 カギは菅野智之の去就?

2020 12/18 11:03林龍也
横浜DeNAベイスターズから読売ジャイアンツへ移籍した梶谷隆幸ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

鍵を握る菅野智之の去就

横浜DeNAベイスターズから国内フリーエージェント(FA)権を行使した梶谷隆幸の読売ジャイアンツ移籍が14日、発表された。巨人にとっては課題となっていた左の強打者獲得となった一方で、DeNAにとっては生え抜きスターの流出となってしまった。

しかし、年俸水準がBランク(球団内での年俸額4~10位)と見られる梶谷の移籍に伴い、DeNAは人的補償+年俸の4割の金銭補償、もしくは年俸の6割の金銭補償を巨人に要求することができる。

そこで今回は、巨人から提出される人的補償のプロテクトリストと、DeNAが補償として指名するであろう選手を予想していこう。今回巨人は、所属選手の中から育成選手と外国人選手を除いた選手(47名)のうち、28名を指定することができ、DeNAはそこから漏れた19名の中から1名を選ぶことになる(今秋ドラフト会議で指名した選手は対象外)。

リスト作成にあたって鍵となるのが、巨人のエース・菅野智之の去就だ。メジャーリーグ移籍を目指してポスティング申請はしたものの、来季の開催などもまだ不透明な状況。例えメジャーが本命だとしても、交渉期限の1月7日よりも先にリストを提出する必要があるため、それを見越して作成することになる。

もしもリスト提出後に菅野のメジャー移籍が決まったら、一枠が無駄になってしまうため判断が難しいところだが、例えそうなったとしてもプロテクトするものと考える。

DeNAの補強ポイントである先発投手・内野手を厚めにプロテクト

<予想プロテクトリスト>

【投手】12名
菅野智之、戸郷翔征、髙橋優貴、田口麗斗、中川皓太、畠世周、太田龍、桜井俊貴、今村信貴、横川凱、大江竜聖、井上温大

【捕手】5名
大城卓三、岸田行倫、山瀬慎之助、小林誠司、炭谷銀仁朗

【内野手】8名
増田大輝、坂本勇人、岡本和真、吉川尚輝、若林晃弘、田中俊太、北村拓己、湯浅大

【外野手】3名
丸佳浩、亀井善行、松原聖弥

DeNAにとって最優先課題である投手については、前述の菅野に加え戸郷、田口、畠、今村ら先発陣、中継ぎの中川、大江に加え、若手有望株を中心にプロテクト。DeNAとしては井納翔一が抜けた穴も埋めたいため、巨人は先発を厚めにプロテクトすると予想した。

捕手に関してDeNAは、絶対的レギュラー不在という状況が続いている。加えて、同一リーグということも考慮すると、実績のある4選手に加え、日本シリーズ出場資格者名簿にも掲載された高卒ルーキーの山瀬もプロテクトされるだろう。

内野手には坂本、岡本、吉川らチームを代表する主力選手が揃う。また、増田大、田中俊、若林のように複数のポジションを守り、スーパーサブとしてチームを支えた選手たちも多く、ここは厚めにプロテクトすることになる。今シーズン開幕一軍入りを果たし、ファーム盗塁王にも輝いた湯浅もリスト入りと判断した。

外野手では、主力の丸やチームの精神的支柱でもある亀井に今季ブレイクを果たした松原の3人と予想。梶谷の移籍で一見外野の層が薄くなるように思えるDeNAだが、左翼・佐野恵太、右翼・オースティンら主力に加え、神里和毅、桑原将志、細川成也、乙坂智らが控えており、余程のことがなければ外野手の獲得はないだろう。

実績ある中継ぎ投手が最有力候補か

<プロテクト漏れ(予想)>

【投手】9名
大竹寛、田中豊樹、野上亮磨、鍵谷陽平、古川侑利、戸根千明、高梨雄平、沼田翔平、堀岡隼人

【捕手】0名

【内野手】5名
中島裕之、増田陸、松井義弥、香月一也、菊田拡和

【外野手】5名
陽岱鋼、石川慎吾、立岡宗一郎、重信慎之介、伊藤海斗

若手中心でプロテクトしたとは言え、一軍で活躍した選手が並ぶ結果となったのはさすがの選手層とも言える。

投手陣では鍵谷、高梨、田中豊、大竹ら中継ぎ投手としてリーグ優勝に貢献した選手がズラリと並んだ。もしもDeNAが即戦力の中継ぎ投手を狙うのであれば、この中の誰かが候補となるだろう。即戦力であれば田中豊や左腕の高梨、若手なら沼田、堀岡が有力か。

内野手ではベテランの中島と、澤村拓一との交換トレードでロッテから加入した香月らが残った。DeNAは年長組のホセ・ロペスや石川雄洋が退団したことから中島の経験値は貴重だが、若返りを図るチーム方針からは外れる。松井や増田などの若手も魅力的だが、内野手に関してはより即戦力の重要性が高いとみられる。

外野手を見ると、実績充分ながら出場機会が激減している陽に、中堅の石川、立岡、重信と、こちらも錚々たる顔ぶれ。DeNAの外野はやや飽和気味のため可能性は低いが、重信のような足のスペシャリストなら面白い存在になるかもしれない。

以上のことから、田中豊、沼田、高梨の3名を補償候補と予想した。過去には山口俊の人的補償として獲得した平良拳太郎が主力に成長するなど、うまくいけば補強にもつながる人的補償。今オフの巨人、そしてDeNAがどのような決断を下すのか注目だ。

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