4年契約の最終年は開幕に出遅れ7勝
楽天・岸孝之が12月10日、5000万円ダウンの年俸2億5000万円プラス出来高で契約を更改した。
会見冒頭でサインしたか?と問われ、「はい」と一言。続けて、球団からどのような話があったか問われると数秒間、沈黙した。
「……いろいろ話はありました。内容は話しません」
西武からFAで加入し、4年契約の最終年だった今季。腰の張りのため初登板は7月4日のロッテ戦と出遅れ、その後も2度、登録抹消された。
10月1日に一軍復帰してからは6試合で5勝を挙げ、10、11月度の月間MVPを受賞。最終成績は11試合の登板で7勝0敗、防御率3.21と悪くない数字が並ぶが、2018年以来の2桁勝利には届かず、納得していない様子がありありだった。
「(コロナ渦で)本当に難しい1年だった。その中でも結果を出した選手はいるし、言い訳をする気はありません」
男らしく、そう言い切ったが、同時にこうも漏らした。
「天国の星野さんに怒られてしまう」
西武からFA宣言した2016年オフ、悩む右腕の背中を押したのが当時、楽天球団副会長だった故星野仙一氏だった。「迷ったら前に進め」という言葉に勇気をもらい、楽天入団を決意。しかし、移籍後4年間で計29勝19敗という成績に自分自身、納得がいかないのだ。