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「投手出身に名監督なし」は本当なのか?監督のポジション別成績を比較

2020 12/24 06:00SPAIA編集部
(左から)DeNA・三浦大輔監督、ソフトバンク・工藤公康監督、ヤクルト・高津臣吾監督ⒸSPAIA
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元投手の三浦大輔と石井一久が監督就任

2021年のプロ野球は3人の新監督が誕生する。DeNAはアレックス・ラミレス監督に替わって三浦大輔二軍監督が、楽天は三木肇監督に替わって石井一久GMが、オリックスは今季途中から代行監督を務めていた中嶋聡監督が、それぞれ一軍監督に就任。新人や移籍組などの新戦力ととともに、各新監督も注目を集めそうだ。

三浦監督と石井監督は元投手、中嶋監督は元捕手。かつて「名将」と呼ばれた野村克也氏は「投手出身に名監督はいない」などと話していたが、実際はどうなのだろう。2001年から今季まで20年間の監督の現役時代のポジション別成績を調べてみた。

最近20年のセ・リーグ監督ポジション別成績


セ・リーグは上表の通り。当然ながら在任期間の戦力や監督個々人の能力によるので一概には比較できないが、投手、捕手、野手の3つに分類し、それぞれの平均順位を算出した。

セ・リーグは野手出身監督が好成績

巨人は投手出身が堀内恒夫しかおらず、2年間で3位と5位。野手出身は長嶋茂雄、原辰徳、高橋由伸の3人で、原監督が9回も優勝しているため平均2.39位と高い。

阪神も投手出身は星野仙一だけで、捕手出身は野村克也と矢野燿大の2人、野手出身は岡田彰布、真弓明信、和田豊、金本知憲の4人となっている。星野監督は2年間で4位と1位だったため、3ポジションの中で平均順位は投手が最も高い。

中日は投手出身が星野仙一、山田久志、森繁和、与田剛の4人もおり、平均4位。落合博満が8年間で4度も優勝し、全てAクラス入りしたため野手が平均1.9位と圧倒的に高くなっている。

DeNAは投手出身が牛島和彦と尾花高夫の2人、捕手出身が森祇晶と大矢明彦の2人、野手出身が山下大輔、中畑清、アレックス・ラミレスの3人だった。ただ、それぞれ平均5.25位、5位、4.55位と大きな差はない。

広島は20年のうち19年は山本浩二、マーティ・ブラウン、野村謙二郎、緒方孝市の野手出身監督で平均3.95位。長らく低迷していたが、緒方監督がリーグ3連覇を果たして平均順位を引き上げた。

ヤクルトも野手出身が4人と多く、若松勉監督と真中満監督が1度ずつ優勝しているが、平均3.59位とそれほど高くない。

セ・リーグ6球団を総合すると、投手出身監督が平均5位、捕手出身監督が平均4.62位、野手出身監督が平均3.21位。数字上は野手出身監督が好成績を収めていることになる。

2021年は原監督が唯一の野手出身監督で、捕手出身は1人(阪神・矢野燿大)、投手出身が4人(中日・与田剛、DeNA・三浦大輔、広島・佐々岡真司、ヤクルト・高津臣吾)と偏っているだけに、それぞれの監督がどのような采配を見せるのか見ものだ。

パ・リーグは逆に投手出身監督が好成績

続いてパ・リーグを見ていこう。

最近20年のパ・リーグ監督ポジション別成績


ソフトバンクは20年間で12球団最少の3人しか監督交代していないことにまず驚く。成績がいいからこそ各監督が長期政権を築いており、投手出身の工藤公康は6年間で優勝3回、2位3回で平均1.5位。野手出身の王貞治と秋山幸二も平均2.43位と好成績だった。

ロッテは投手出身監督がおらず、捕手出身の伊東勤が5年間で平均3.8位。野手出身の山本功児、ボビー・バレンタイン、西村徳文、井口資仁の4人が平均3.87位でほとんど変わらない。

西武は投手出身が東尾修、渡辺久信の2人、捕手出身が伊東勤、野手出身が伊原春樹、田邊徳雄、辻発彦の3人で、いずれも平均2位台。監督が交代しても安定して好成績を残しているのは、さすがの一語だ。

楽天は球団創設の2005年から16年間の成績。投手出身が星野仙一のみ、捕手出身が野村克也、大久保博元、梨田昌孝の3人、野手出身が田尾安志、マーティ・ブラウン、平石洋介、三木肇の4人で、いずれも平均4位台となっている。

日本ハムは投手出身監督はおらず、捕手出身の梨田昌孝は4年間で平均2.5位と高い。野手出身の大島康徳、トレイ・ヒルマン、栗山英樹は平均3.56位となっている。

オリックスは12球団最多の11人が監督を務めており、全員野手出身(中嶋聡監督代行は除く)。12球団で最も優勝から遠ざかっており、20年間の平均も4.9位と寂しい結果となった。

パ・リーグ6球団トータルでは、セ・リーグとは逆に投手出身が平均2.47位で最も高く、捕手出身が平均3.714位、野手出身が平均3.705位となっている。

2021年は投手出身が2人(ソフトバンク・工藤公康、楽天・石井一久)、捕手出身が1人(オリックス・中嶋聡)、野手出身が3人(ロッテ・井口資仁、西武・辻発彦、日本ハム・栗山英樹)。パ・リーグでは好成績を収めている投手出身の楽天・石井監督がどんな采配を見せるのか注目だ。

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