投手王国の“精密機械”
吉見一起は入団3年目の2008年に10勝を挙げて頭角を現すと、以降は中日のエースとして君臨。12年まで5年連続で2ケタ勝利をマークした。中でも、11年は18勝3敗、防御率1.65と圧倒的な成績を記録。最多勝と最優秀防御率のタイトルに輝き、チームを球団初のリーグ連覇へと導いた。
13年にトミー・ジョン手術を受けて以降は本来の投球を披露しきれず、20年限りでユニホームを脱ぐことを決意。11月6日の引退試合では、アウトローいっぱいへの直球で空振り三振を奪うなど最後まで類いまれな制球力を発揮し、15年間の現役生活にピリオドを打った。
現役15年間の通算与四球率は1.57をマークしており、数字の面からもコントロールの良さがうかがえる。フォアボールを最小限に抑え、投手王国の柱として活躍した吉見は、まさに“精密機械”といえるだろう。