最終戦は好相性のロッテ戦
119試合を終えた時点でリーグ5位に低迷する日本ハム。そんな中、自身初の本塁打王、3度目の打点王を視界にとらえているのが主砲の中田翔。今季もわずかとなったが、本塁打はリーグ1位の浅村栄斗(楽天)と1本差。打点は現在リーグトップで2位の浅村とは3打点差をつけている。
今季は120試合と少ないにもかかわらず、本塁打は既にキャリアハイの31本塁打をマークし、あと3打点で自己最多の110打点に届く。最終戦は11月9日にZOZOマリンで開催されるロッテ戦となるが、対チーム別成績を見ると、本塁打も打点も最多(7本塁打、27打点)で相性が良い。
球場別成績を見てもZOZOマリンでは打率.366と最も高く、本塁打と打点は試合数の多い札幌ドームを除けばともに最多(5本塁打、15打点)。好相性の球場で最終戦を迎えることは中田にとって好材料だ。
際立つ殊勲打の多さ
二冠王の可能性のある中田だが、得点圏打率は.285。それほど高いわけではないが、殊勲打数(先制、同点、勝ち越し、逆転となる安打)は23回で12球団中4位につけている。特に決勝打14回は同3位で、中田のバットがいかに勝利に直結しているかがわかる。
出塁率の高い西川遥輝や近藤健介が前にいることも大きく、彼らが出塁し中田が返すのが日本ハムの得点パターンであり、ストロングポイントと言ってもいいだろう。
直近5試合では19打数3安打、0本塁打、1打点と低調だが、タイトル獲得のためには残り2試合でいかに奮起できるかにかかっている。
来季は本塁打40本にも期待
球種別の打率を見ると、直球の打率が.255、スライダーが.247、フォークが.255と振るわない一方で、カットボールは.306、ツーシームは.412と小さく動く球は得意としている。
ただ、カーブは.095、縦スライダーは.143、チェンジアップは.178と縦の変化量が多く緩い球種に苦戦しており、これらの球種にアジャストしていくことがアベレージを高めていく上で今後の課題と言える。
ゾーン別のデータを見ても得意なコースと不得意なコースがはっきりしている。真ん中は.350、真ん中高めは.333、内角中程は.320とハイアベレージをマークしているが、外角および低めは軒並み2割台前半と苦手としている。特に真ん中低めでは20個、外角低めでは38個の三振を喫しており、このあたりのコースの見極めは大きな課題だ。
打球方向は左翼が32%、左中間が24%と引っ張った打球が多いのが特徴だが、中堅が15%、右中間が12%と少ない中で、右翼が17%と割合が少々高い。札幌ドームでソフトバンクの森唯斗から放った今季第25号は右翼席に運んだ技ありの一打だったが、中田の進化を感じさせる打撃だった。外角に来た変化球を軽くカットしたような打ち方だったが、この打球が切れることもなく落ちてくることもなく、札幌ドームの高いフェンスを越えてスタンドに飛び込んだのだ。
このような打撃を続けていけば、今後さらなる本塁打の量産が期待できるし、143試合が予定されている来季は本塁打40本も期待できる。これまで同様、中田のバットがチームの命運を握ることは間違いない。
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