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松坂世代のラストサムライは誰だ?引退表明の藤川球児含め現役5人のみ

2020 9/2 06:00SPAIA編集部
西武・松坂大輔ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

松坂大輔は今季未登板、和田毅は4勝1敗

阪神・藤川球児が今季限りの引退を表明した。「松坂世代」と呼ばれる1980年度生まれの現役選手は5人。藤川のほか、世代を代表する西武・松坂大輔、ソフトバンク・和田毅、楽天・久保裕也と渡辺直人となっている。

昨オフには広島・永川勝浩、ヤクルト・館山昌平、日本ハム・実松一成が現役を退き、今オフにも藤川が引退、さらにユニフォームを脱ぐ選手が出てくる可能性もある。松坂世代のラストサムライは誰になるのだろうか。

「松坂世代」の現役選手通算成績


中日時代の2018年に6勝を挙げて復活の兆しを見せたものの、昨季は未勝利に終わった松坂。今季からプロ人生をスタートさせた古巣・西武に復帰したが、いまだ登板はない。7月に脊椎内視鏡頚椎手術を受け、復帰には数カ月かかる見通しという。松坂の現役生活もまた土俵際に追い込まれていると言っても過言ではないだろう。

世代で最も元気なのはソフトバンク・和田毅かも知れない。7月に先発で3勝を挙げるなど、今季は9試合に登板して4勝1敗、防御率3.33。プロ1年目の2003年からメジャー挑戦前年の2011年までのK/9(奪三振率)は8.28だったが、今季は6.72、1イニングあたり何人の出塁を許したかを示すWHIPは1.15だったが、今季は1.29とさすがに全盛期より数字は悪化しているものの老獪な投球は健在だ。

SPAIAのゾーン別データでは、右打者に対しては外角低めが20.5%と最も多く被打率は.000。左打者も外角低めが最も多い31.8%で被打率は.227と封じ込んでいる。持ち前の制球力で丹念にコーナーを突く投球が、安定感を呼んでいるのだろう。

久保裕也は今季5試合登板、渡辺直人はコーチ兼任

東海大から自由獲得枠で巨人に入団した久保裕也も息の長い選手だ。2010年にはリーグ最多の79試合に登板し、8勝1敗1セーブ32ホールドをマークするなど中継ぎとして重宝された。巨人を退団後もDeNA、楽天と渡り歩き、今季も5試合に登板して1勝1ホールドを挙げている。

ストレートは平均で140キロ程度だが、主武器のスライダーとフォークが全投球の約3分の2を占める。相手の打ち気を逸らしながら、ここまで506試合に登板し、54勝37セーブ113ホールドを積み上げてきた。戦力外通告や故障を乗り越えた苦労人。沖学園時代は甲子園にも出場しておらず、松坂世代の中では目立つ存在ではなかったが、久保もラストサムライ候補の一人だ。

松坂世代の現役では唯一の野手となっているのが楽天・渡辺直人。今季から打撃コーチを兼任しているが、選手としての出場はない。

三菱ふそう川崎から2006年ドラフト5位で楽天に入団し、DeNA、西武を経て2018年から楽天に復帰。1134試合に出場して打率.259、7本塁打、229打点、115盗塁をマークし、内野ならどこでも守れるユーティリティプレーヤーとして活躍してきた。

誰が引退するにせよ、現役を続けるにせよ、ひとつの時代の終わりが近付いているのは確か。「松坂世代」が日本プロ野球史に残した功績は決して色褪せない。

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