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巨人には12球団最多の5人、松坂世代の指導者たち

2020 2/23 06:00勝田聡
西武の松坂大輔投手ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

松坂世代の現役選手は5人

松坂大輔(西武)の影響で西武がキャンプを張る宮崎・南郷は賑わっている。時代が令和に変わっても「平成の怪物」の人気は健在。今年40歳になるシーズンだが、ここまでは順調に投げ込みを行っており、辻発彦監督も先発ローテーション入りに期待をかけている。

この松坂と同学年のいわゆる「松坂世代」(1980年4月2日〜1981年4月1日生まれ)の現役選手は残り少ない。NPBで活躍する日本人選手は、松坂以外には藤川球児(阪神)、和田毅(ソフトバンク)、久保裕也(楽天)、渡辺直人(楽天/打撃コーチ兼任)の4人だけである。

【松坂世代の現役選手】
※2020年シーズンNPB所属

松坂大輔(西武)
藤川球児(阪神)
和田毅(ソフトバンク)
久保裕也(楽天)
渡辺直人(楽天/打撃コーチ兼任)

このように「松坂世代」の現役選手は松坂を含めて5人になった。しかし、指導者としてユニフォームを着ている人物は数多くいる。2020年シーズンの首脳陣で「松坂世代」の一員はどれくらいいるのだろうか。

春季キャンプ開始時点での組閣から探ってみたい。

ソフトバンクは前楽天監督の平石氏を招聘

まずはパ・リーグ。世代を牽引する松坂が復帰した西武では、赤田将吾打撃コーチと上本達之二軍育成コーチのふたりが松坂世代。なかでも赤田は1998年のドラフト2位、つまり松坂の次に指名された選手でもある。西武、オリックス、日本ハムと3球団を渡り歩き、2014年に現役を引退。翌2015年から入閣した。松坂とは2006年以来、14年ぶりに同じユニフォームを着ることになった。

ソフトバンクでは、平石洋介打撃兼野手総合コーチの名前が挙がる。昨シーズンは、同世代で初の一軍監督に就任し楽天で指揮を執った。その他には高校時代にスラッガーとして名を馳せた吉本亮三軍打撃コーチがいる。

楽天には、選手兼任の渡辺のほか、松坂と横浜高校、西武でともにプレーした後藤武敏二軍打撃コーチ、そして昨シーズン限りで現役を引退した館山昌平二軍投手コーチもいる。館山は、松坂、後藤の横浜高校と同じ神奈川県にある、日大藤沢高校出身。高校時代から神奈川県で競い合ったふたりが同じチームで指導者となった。

日本ハムでは、矢野謙次外野守備コーチ兼打撃コーチ補佐、紺田敏正二軍外野守備走塁コーチのふたりが松坂世代。ともに現役時代はレギュラーという扱いではなかったが、指導者となりチームを支えている。

オリックスには小谷野栄一二軍打撃コーチがいる。小谷野は江戸川南リトルで松坂とチームメートだった。

ロッテには首脳陣、選手ともに松坂世代は在籍していない。

【松坂世代の首脳陣<パ・リーグ>】
※2020年シーズンNPB所属
※選手兼任はのぞく

赤田将吾(西武/打撃コーチ)
上本達之(西武/二軍育成コーチ)
平石洋介(ソフトバンク/打撃兼野手総合コーチ)
吉本亮(ソフトバンク/三軍打撃コーチ)
後藤武敏(楽天/二軍打撃コーチ)
館山昌平(楽天/二軍投手コーチ)
矢野謙次(日本ハム/外野守備コーチ兼打撃コーチ補佐)
紺田敏正(日本ハム/二軍外野守備走塁コーチ)
小谷野栄一(オリックス/二軍打撃コーチ)

巨人には村田修一、杉内俊哉ら5人の松坂世代

一方でセ・リーグはどうだろうか。 巨人には、村田修一二軍野手総合コーチ、杉内俊哉二軍投手コーチ、木佐貫洋二軍投手コーチ、實松一成二軍バッテリーコーチ、加藤健三軍バッテリーコーチと12球団で最多の5人がいる。全員が、二軍もしくは三軍に配置されており、若い選手の育成が主な役割となる。

DeNAでは、横浜高校で松坂とチームメートだった小池正晃が二軍外野守備走塁コーチを務めている。今シーズンが7年目となり、コーチとして実績を積んできた。

広島では東出輝裕二軍打撃コーチ、永川勝浩二軍投手コーチのふたりが、ともに現役時代から生え抜きで同じユニフォームを着続けている。東出は1999年のプロ1年目から22年目になる。

中日では工藤隆人二軍外野守備走塁コーチが2019年から指導者となった。

ヤクルトでは、西武時代に松坂とチームメートだった小野寺力二軍投手コーチ、ブラジル出身で日本の高校でのプレー経験はないが松元ユウイチ打撃コーチ、そして衣川篤史バッテリーコーチの3人が松坂世代となる。

阪神には現役の藤川が在籍しているものの、首脳陣で松坂世代はひとりもいない。

このように12球団中、10球団で松坂世代がコーチ職に就いている。その役職を見ると、2020年シーズンにおいては、そのほとんどが二軍、三軍であり、一軍を任されているのは、選手兼任の渡辺、赤田、平石、矢野、松元、衣川の6人と少ない。とはいえ、選手時代と違い、一軍とファームでの実力による明確な優劣はなく、それぞれの経験や適正に合わせて配置されているはず。

彼らがこれから経験を積むことによって、一軍での指導者が増え、やがては監督も松坂世代が増えていくのだろうか。これから先の組閣も楽しみだ。

【松坂世代の首脳陣<セ・リーグ>】
※2020年シーズンNPB所属

村田修一(巨人/二軍野手総合コーチ)
杉内俊哉(巨人/二軍投手コーチ)
木佐貫洋(巨人/二軍投手コーチ)
實松一成(巨人/二軍バッテリーコーチ)
加藤健(巨人/三軍バッテリーコーチ)
小池正晃(DeNA/二軍外野守備走塁コーチ)
東出輝裕(広島/二軍打撃コーチ)
永川勝浩(広島/二軍投手コーチ)
工藤隆人(中日/二軍外野守備走塁コーチ)
松元ユウイチ(ヤクルト/打撃コーチ)
小野寺力(ヤクルト/二軍投手コーチ)
衣川篤史(ヤクルト/バッテリーコーチ)

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