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阪神・藤浪晋太郎は適度な抜け球が奏功?得意の8月、9月で波に乗れるか

2020 8/29 06:00SPAIA編集部
阪神・藤浪晋太郎ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

通算51勝中8月に11勝、9月に10勝、広島戦も11勝

阪神・藤浪晋太郎が今季2勝目を目指して8月29日の広島戦(マツダ)に先発する。前回21日のヤクルト戦(神宮)で6.2回4失点(自責2)で692日ぶりの勝利を挙げた。新型コロナ感染や練習遅刻による2軍落ち、右胸の筋挫傷などで出遅れ、7月23日の広島戦(甲子園)での復帰マウンドから4連敗と苦しんだが、復活勝利で波に乗れるか、試金石となる一戦だ。

大阪桐蔭時代に甲子園で優勝したイメージも手伝ってか、以前から「夏男」と呼ばれるが、実際夏場に強いことはデータが示している。

阪神・藤浪晋太郎の月別成績


プロ通算51勝のうち、8月に11勝、9月に10勝を挙げているのだ。8月は2.90、9月は3.04と防御率もいい。

広島戦も通算11勝を挙げており、13勝のDeNAに次ぐ好相性。今季は7月23日と8月14日の試合で敗れているが、2試合とも投げ負けた広島・森下暢仁とのマッチアップは回避した。通常通りのローテーションなら3度目の対決となるはずだったが、中7日あけて万全の態勢で臨む。

外角低めに次いで多い右打者の内角高め

コントロールに苦しんだ、かつての姿はあまり見られない。抜け球が多く、右打者にぶつけてしまう危険性が高いために、相手打線が左打者を並べたこともあったが、今季の与死球はわずかに1。ぶつけたのも左打ちのヤクルト・坂口智隆だから、いわゆる抜け球ではない。

SPAIAのゾーン別データを見ると、右打者に対しては外角低めが実に31.2%を占めている。全体の6割以上を占める平均球速151.2キロのストレートで外角中心に攻めていることがよく分かる。

面白いのは、右打者の内角高めが16.6%と2番目に多く、被打率.000をマークしていること。これは狙って投げたというより、時折見られる抜け球だろう。その証拠に内角ベルトラインは2.4%、内角低めはわずか1.5%しかない。指にかかり切らなかった球が、結果的に右打者の胸元を突き、外角低めのストレートやカットボール、フォークがより活きているのだ。

ぶつける心配の少ない左打者にはより顕著で、外角高めが全体の24.8%を占めており、被打率は.118。適度な荒れ球が、今の藤浪にとっては奏功していると言えるだろう。

優勝争いに不可欠な背番号19

1勝4敗と負けが先行しているが、味方のエラーに足を引っ張られたこともあり、防御率は3.78と悪くない。何より、ファンや球団を心配させた藤浪の復活は、チームに勢いをもたらしてくれる意味でも大きい。

AクラスとBクラスの境界線を行ったり来たりしている阪神。優勝戦線を勝ち残っていくには8月、9月に強い背番号19がローテーションを守り、試合をつくることが不可欠だ。まずは2勝目を挙げてチームに勢いをつけたい。

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