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阪神・糸井嘉男の300盗塁達成はいつ?NPB盗塁ランキング

2020 8/24 06:00SPAIA編集部
阪神・糸井嘉男ⒸSPAIA
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「王手」から1カ月半以上経過

阪神・糸井嘉男がNPB史上30人目の通算300盗塁に王手をかけて1カ月半以上が経過している。2019年終了時点で現役最多の297盗塁をマークしており、今季は6月27日のDeNA戦と7月2日の中日戦で成功。300盗塁達成は時間の問題かと思われた。

しかし、7月4日を最後に打率3割を切ると、成績は下降線を辿り、盗塁もパタッと止まる。開幕からほとんどの試合で3番を任されていたが、最近はスタメンから外れる試合も増えてきた。7月31日の誕生日で39歳となり、かつて「超人」と呼ばれるほどフィジカルの強さを誇った糸井も、右膝痛の影響もあってか納得いく成績を残せていない状況だ。

とはいえ、これまで残してきた実績が色褪せる訳ではない。近大から投手として日本ハムに入団したものの、3年目に打者転向。2011年、2012年に最高出塁率に輝き、オリックス時代の2014年には初の首位打者と3度目の最高出塁率のタイトルを獲得、2016年には53盗塁で盗塁王にも輝いた。

2016年オフにFA宣言して阪神入団。1年目が17本塁打、62打点、21盗塁、2年目が16本塁打、68打点、22盗塁と安定したパフォーマンスを発揮してきた。

しかし、昨季は5本塁打、42打点、9盗塁と失速。4年契約の最終年となる今季、糸井にとって正念場であることは間違いない。

「足にスランプなし」右膝の状態は?

NPBの通算盗塁ランキングを見ると、そうそうたる名前が並ぶ。

NPB通算盗塁ランキング


1065盗塁の福本豊を筆頭に、広瀬叔功、柴田勲、木塚忠助、高橋慶彦ら名だたる韋駄天ばかりだ。阪神では381盗塁の赤星憲広が歴代9位タイ、350盗塁の吉田義男が歴代18位にランクされている。糸井も阪神在籍時だけで見れば54盗塁だが、30代後半での記録と考えると、やはり驚異的だ。

セイバーメトリクスの足の速さを評価する指標「Spd」は3.69で、今季セ・リーグで50打席以上の70選手中17位につけている。Spdは盗塁成功率や三塁打、得点などから算出され、チームメートで昨季盗塁王の近本光司がセ・リーグトップの6.71だから、糸井の数値も同70人中54位の打率(.232)に比べると決して悪くない。

巨人戦3試合連続完封負けの屈辱を喫するなど、チーム打率がリーグ最下位の阪神。「足にスランプはない」と言われるだけに、秋以降に優勝争いから振り落とされたないためには、近本だけでなく、糸井の足も重要なファクターになるだろう。右膝の状態が気になるが、300盗塁の達成、さらには俊足の復活が待たれる。

※数字は8月23日現在

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