「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

「体力面」の不安的中の中日・梅津晃大だが……それでも見せたエースの資質

2020 8/12 11:00青木スラッガー
中日・梅津晃大のイニング別球速ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

延長10回127球の熱投も……右ひじに違和感

低迷が続く中日にアクシデントだ。8月6日、開幕からローテーションを守っていた梅津晃大が「上肢のコンディショニング不良」で登録抹消された。

2年目の今季はここまで7試合に登板して2勝3敗、防御率3.74の成績。前回の登板(8月2日ヤクルト戦)では引き分けに終わったものの、10回無失点と圧巻の投球を披露していた。覚醒を予感させていただけに、巻き返しを図るチームにとって痛い離脱である。

昨季は終盤の6試合で4勝1敗、防御率2.34の好成績を残した将来の「エース候補」。ストレートの平均球速は先発投手としてトップクラスの146.2キロをマークするなど、本格派右腕として高い資質を示し、2年目に大きな期待を残すルーキーイヤーとなった。

その一方で、懸念されていたのが体力面での問題だ。東洋大学時代は怪我がちで登板が少なく、プロ入り後も「右肩インピンジメント症候群」が発覚して出遅れた。一軍デビュー後も、6試合に登板して投球数が100を超えたのは1度のみと、慎重に起用されている。

シーズンを通してローテーションを回ることができるか。またイニング数を増やしていく中でも高いパフォーマンスを発揮することができるか、という点が2年目の焦点だったが……早くもそのフィジカルの部分での不安が浮かび上がる形となってしまった。

延長戦突入でも唸るストレート 最後まで球速は落ちず

しかし、10回127球の熱投を見せた2日ヤクルト戦を振り返ると、長いイニングを投げることにおいて抜群の力を発揮したことも事実。この点については、体力面の課題を払しょくしてみせた。

中日・梅津晃大のイニング別球速ⒸSPAIA

 

上図は、今季と昨季のストレート及び決め球であるフォークの、イニング別平均球速をグラフ化したものである。ストレートは昨季よりも1キロ以上速い平均147.3キロを計測しており、そのうえで試合を通じて球速の変化が小さい。8回以降を投げたのは前回登板のヤクルト戦のみだが、このときは9回に平均147キロ、10回に平均146.4キロをマークし、ほとんど最後まで球速が落ちなかった。

また、同ヤクルト戦の8回以降に、ストレートで1つ、フォークで3つと計4奪三振を記録。終盤は握力が落ちて抜けてしまいがちなフォークも10回まで平均137キロ台をキープし、落差も変わらなかった。これだけ強いストレートとフォークを、延長戦まで投げることができる投手はそうはいないだろう。

プロ入り以来初の8回以降のマウンドとなったが、なんとか投げぬいたというよりは、最後まで打者を制圧する投球を見せていた印象だ。やはり「エース候補」と呼ばれるだけの資質を持っていることは間違いない。幸いなことに軽傷との報道もあり、しっかり治して、次の登板で再び活躍を見せてほしい。

【関連記事】
【チームの将来10年を左右する男】中日・梅津晃大 1年目で見せたエースの片鱗
2球団で永久欠番!プロ野球における背番号15の選手たち
プロ野球も黄金世代!躍進目覚ましい1998年度生まれの選手たち