120試合で51発、例年通りなら61発ペースの浅村栄斗
まだ開幕して約1カ月とはいえ、パ・リーグの本塁打王争いがえらいことになってきた。7月19日終了時点で楽天・浅村栄斗が11本で単独トップ。ソフトバンク・柳田悠岐、西武・山川穂高、日本ハム・中田翔の3人が9本で2位タイに並ぶ。5位はロッテ・レアードが3本差の6本塁打だから、4人が頭ひとつ抜け出した状態だ。
捕らぬ狸の皮算用とは言うが、26試合で11発をマークしている浅村が仮に今のペースで打ち続ければ、120試合で51本塁打の計算。これが例年通り143試合制なら61本塁打という驚異的なペースなのだ。
25試合で9本塁打の山川でさえ、120試合に換算すれば43発、143試合なら51発ペース。今季はいつになくハイレベルの本塁打王争いが繰り広げられている。
浅村のAB/HRは9.3、山川と柳田は9.8の超ハイペース
本塁打数では浅村がトップだが、長打率と出塁率を合計したOPSでは柳田が1.246でトップ。長打力だけでなく、パ・リーグ2位の26四球を選ぶなど出塁率も高いことが要因だ。
ちなみに柳田、浅村、山川3人のOPSは1.00を超えている。2019年と比較すると、12球団トップだった広島・鈴木誠也が1.018と唯一の1.00超えで、パ・リーグ首位打者の西武・森友哉でさえ.959だったから、今季の本塁打王争いがいかにハイレベルか分かる。
本塁打を放つまでに要する打席数を示すAB/HRは、1位が浅村の9.3、2位タイが山川と柳田の9.8、4位が中田の11.6。これも2019年と比較すると、12球団トップのDeNA・ソトが12.0だから、ハイペースで量産していることが裏付けられる。
過去15年で日本人同士の本塁打王争いは3度のみ
これまで日本人同士で本塁打王を争った例は少ない。2005年以降の15年間で本塁打王争いの上位3傑が日本人だった年は、パ・リーグで3度、セ・リーグでは一度もない。
直近では2018年。山川、柳田、浅村(当時西武)にソフトバンク・松田宣浩を加えた4人が上位を占めたが、最終的には山川が47本塁打を放ち、2位・柳田に11本差をつけた。
2015年は西武・中村剛也が37本塁打で松田、柳田をかわしタイトル獲得。2010年はオリックス・T-岡田が唯一30発を超える33本塁打を放ち、28本の楽天・山﨑武司、27本のソフトバンク・多村仁志をかわしてキングに輝いた。
これまでと比べても、今季は激しいつばぜり合いが展開されており、なおかつハイレベルだ。新型コロナで前例のないシーズンとなった2020年。空前の激しいバトルとなりそうなホームランダービーから目が離せなくなってきた。
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